Honor 10 の実機レビューです。HuaweiのサブブランドのHonorですが今回当方にとってははじめてのHonorとなります。Huaweiシリーズのノウハウが生かされた低コストながらハイスペックな端末をリリースするHonorはHuaweiシリーズと異なったマーケティングで伸びたシリーズですが、最近はどうもあまり売り方に差がない気もします。
Honor 10 のレビュー
概要
仕様
仕様は5.84インチ19:9のFHD+ノッチディスプレイに前述の通りSoCには Kirin 970が採用され、RAM&ROMのコンビはRAMが4GB or 6GB ROMは64GB~128GBが選択出来るようになっています。カメラは16MPのRGBメインシューターと24MPのB&Wのデュアルカメラ構成です。フロントカメラも24MPとセルフィー需要もカバーするのは最近の流行りでしょうか。個人的にはHuawei P20 Proと同様にフロント側に指紋認証がある点とコンパクトで軽いボディが好みの製品です。またLTE B19に対応するなどバンド的には非常に魅力あるスペックなのですが、仕様上ではVoLTEに対応しているものの残念ながら日本のキャリアではVoLTEが利用できないROMの作りになっており、こちらについては後述しますが4Gデュアル待ち受けによるDSDVは利用できません。
製品名 | Honor 10 |
---|---|
ディスプレイ | 5.84″ 1080 x 2280 FHD+ 19:9 |
SoC | Hisilicon Kirin 970, Mali-G72 MP12 |
RAM/ROM | 4GB or 6GB/64GB or 128GB |
カメラ | リア: 16 MP RGB, f/1.8, PDAF 24 MP B&W, f/1.8, PDAF フロント: 24 MP, f/2.0 |
対応バンド | 2G 850 / 900 / 1800 / 1900 - SIM 1 & SIM 2 3G 850 / 900 / 1900 / 2100 4G 1(2100), 3(1800), 5(850), 7(2600), 8(900), 19(800), 20(800), 38(2600), 40(2300), 41(2500) Wifiはa/b/g/n/acデュアルバンド構成 |
bluetooth | 4.2 aptX HD, LE |
バッテリー | 3400mAh |
サイズ | 156.7 x 74.2 x 9.4 mm / 153g |
os | EMUI8.1 Android 8.1 |
カラー | Phantom Blue, Phantom Green, Midnight Black, Glacier Grey |
付属品
付属品は下記の通り。TPUケースが付属しており、PETフィルムがインストールされているのですぐ利用を開始できます。
Type-C to A USBケーブル
電源アダプタ(USソケット)
simピン
ユーザーマニュアル
TPUケース
イヤホン
画面にはスクリーンプロテクターがインストール済
デザイン
デザインは各種トレンドが盛り込まれたスタイルです。ノッチディスプレイにフロント・バックのガラスがメタルフレームに挟まれた形になっておりバックのガラスはHonorらしいイルミネートなグラデーションガラス仕様となっています。本体はGalaxy S8と同じくらいのサイズ感で153gと軽いボディになっており、4隅がラウンドした加工となっているので非常に持ちやすく扱い易いデザインです。
LEDがシングルトーンでコストカットが見て取れる部分
フロント側は流行りのノッチディスプレイとなっていますが、Huawei P20シリーズと同様にノッチ部分は24MPカメラ、スピーカー、センサー、通知LEDが狭いエリアにコンパクトにまとまっています。ディスプレイは極力ベゼルを省いた構成ですっきりした面構えとなっています。
カメラ、スピーカー、センサが小さいエリアに集約
FHD+のディスプレイはIPS LCDで構成されており、やや青みが強い色温度が高い設定です。そして432ppiの密度は何気にP20よりも高いものとなっています。画面は非常にシャープでビビットですが日光下においてはコントラストをブーストする機能が無いのでやや見づらいです。
ガラスはゴリラガラスのようですがバージョンは不明
フロント側の注目点としては下部に配置された超音波指紋認証です。こちらのエリアは白い点でかこわれたデザインとなっており凹凸が無いフラットなスタイルで、下部の狭い部分に配置されています。Huawei P20 Proと比較するとやや認識が遅いですが、殆どの場合フェイスアンロックで解除するシチュエーションが多いのでそれほどは気にならない部分でもあります。そしてこちらのエリアはナビゲーションボタンとしても機能するのでワンキーで戻る、ホーム、履歴の操作が可能になっています。ZUK ZUIのオペレーションが近いでしょうか。
指紋認証エリアはフラットなデザイン
バックサイドについては今回レビュー端末は青ですが青と紫にシフトするような輝き方をするイルミネートガラス加工になっており美麗な仕上げです。ミッドフレーム側に向かってラウンドしている背面はスペック上の7.7mmよりも薄く感じさせてくれます。カメラの並びは流行りの縦並びではなく横並びでLEDフラッシュはシングルトーン、端末右上にはAI CAMERAの印字があります。この印字にそれほど訴求力があるとは思えないのでちょっとデザイン上では邪魔な存在でしょうか。
見る方向によっては紫にシフトするオーロラガラス
ボトムサイドには左からイヤフォンジャック、Type-Cポート、マイク、スピーカーの並びです。スピーカーは音質もクリアで出力サイズ問題なく比較的優れたものとなっています。
トップサイドはIRポート、マイク穴が配置されています。
レフトサイドにはトップ側にsimスロットです。simスロットはnano+nanosimトレーです。microSDはサポートされません。
ライトサイドは上からボリュームボタン、電源ボタンという並びです。ボタン類がゆるいこともなく快適に利用できます。
全体的に見て安価な製品ながらビルドクオリティは高く、美しい端末に仕上がっています。サイドフレームについてはメタル部分が乾いた手ではやや滑りやすい印象でグリップが甘いですが付属のTPUケースを使えば特に問題はありません。下記はサイズ感の比較で左からP20 lite、Honor 10、Huawei P20 Proです。
左からHuawei P20 lite、Honor 10、Huawei P20 Pro
ハードとパフォーマンス
SoCはHuawei独自のKirin 970となりフラグシップグレードのものが採用されています。パフォーマンスのグレードとしてはSnapdragon 835が近く最新のSDM845には劣りますが、Antutuのスコアは20万前後と$400クラスのSoCとしては非常に高いパフォーマンスでベンチのスコアについてはHuawei P20シリーズと大差ありません。ベンチマーク中はやや端末が熱を持ちますがそれほど気になるものではありません。このクラスになると大抵のゲームは問題なく実行できますし、もちろん普段使いにおいてもまったく速度が気になる点はありません。RAM&ROMのコンビも選択肢はあれどほとんどの方は4GB/128GBで問題ないのではという感じです。
左がHonor 10、右がHuawei P20 Proの結果。ほぼ変わりません
ユーザーインターフェイスとOS
Honor 10 はP20 Proと同様にEMUI 8.1とAndroid 8.1が採用されています。EMUIはグローバルバージョンで日本語が選択可能で特に不都合なく日本語環境が構成できます。ランチャー環境は中国製ROMにありがちなドロワーが無いタイプですがオプションでドロワーを選択することも可能。ソフトキーを使ったオンスクリーンナビゲーションと指紋センサーを使ったオフスクリーンナビゲーションが選択可能なので、後者を使えば画面をより広く使えます。独自のテーマ機構やロックスクリーンの壁紙を自動で変更するマガジンロック機能などカスタマイズも便利に利用できます。またノッチが気に入らなければZenfoneやOneplusのようにノッチを隠すコントロールも可能です。一番便利だなと思ったのはモーションによる画面オン→フェイスアンロックが実行できる点でしょうか。EMUIは非常によく出来ており特に不都合がある点はなく、カスタムランチャーなどを使わずとも便利に利用できるものとなっています。
日本語環境もバッチリ
画面外ナビゲーションがおすすめ
モーションで画面オン→フェイスアンロックが便利
ダイレクトロック解除であればキー操作なしにアンロック
画面の色味は詳細に変更可能
ノッチコントロールのオプションも完備
接続性
Honor 10 はスペック上では4G4G DSDVでの利用が可能となっていますが残念ながらテストを実施したところ、日本のキャリアのsimではデフォルトでVoLTEが利用できないためDSDSでの利用となってしまいます。rootを取得すれば強制的にVoLTEスイッチを有効にすることは出来ますが、DSDVにはならずしかもSoftbank系キャリアでしかVoLTEが有効になりませんでした…..。2018年8月現在、APAC向けのHonor 10ではデフォルトでDSDVデュアル4G待ち受けはできません。ちなみにVoLTEが有効な場合は下記のようにキャリア名にHDアイコンが付きます。
しかもDSDVの場合は必ずVoLTEが必要なので下記のようにVoLTEスイッチを有効にする必要がありますが日本のMNO、MVNOではデフォルトで表示されません。デュアルsim 4Gスイッチはデフォルトで出てきますが全く機能しません。
ちょっと画質が悪くて申し訳ないですが、強制的にVoLTEを有効にしてもDSDVができていないエビデンスは以下の通り。片側にHDが付きません。
現状のまとめとしては以下のような感じです。MNOドコモ回線が手元にないので確認できる限りではありますが….。
・3G→4G接続が遅いのはSoftbank系のsim(相当遅く5分以上かかる)
・root化して無理やりVoLTEをアクティブにすることは可能
・VoLTEに接続可能なのはSoftbank系だけ
・DSDVのメニューが出てくるがDSDVにはならない。
利用可能なLTEはDocomo系(赤字)やSoftbank系(青字)、紫は両キャリアで共通で以下の通りです。
2G 850 / 900 / 1800 / 1900 – SIM 1 & SIM 2 3G 850 / 900 / 1900 / 2100 4G 1(2100), 3(1800), 5(850), 7(2600), 8(900), 19(800), 20(800), 38(2600), 40(2300), 41(2500) |
ご要望があれば、Softbank系のsimでVoLTEを有効にする手順を書きたいと思います。
カメラ
カメラの構成はRGBとモノクロ。両センサとも解像度が高くなっていますがP20にはある4位相オートフォーカスやOISが無い構成となっておりコストカットが仕様上で見て取れる部分です。AIモードはHuawei P20シリーズと同様にわざとらしい飽和した味付けなのでちょっと好みではありませんが、昼光下ではディティール、コントラストともに優秀でノイズレベルも低くて良い写真が撮れます。ただHDRがAIモードでないと自動で有効にならないので、ダイナミックレンジのコントロールがAI任せになるか手動で適用する必要があるなどちょっと面倒な仕様。暗所においては全体的にノイズは少なめで悪くは無いですが、P20 Proと比べると仕上がりがソフトでディティールに欠ける部分が見て取れるのであまり過度な期待は出来ない仕上がりです。
※下記リンク先はオリジナルサイズです。モバイルの方はクリックしないようにお願い致します。
Huawei P20 Proとの暗所作例比較。左がHonor 10で右がHuawei P20 Proです。Honor 10も悪くはないですが暗所は圧倒的にP20 Proが良い。
バッテリー
バッテリーは3400mAhと軽量な本体ながら十分な量を備えています。4.5V/5Aの給電は付属のスーパーチャージャーと専用ケーブルでないと利用できないのでやや利便性は低いですが、1時間20分強でフル充電が可能なので充電のスピードはかなり早いです。PC Markのバッテリーベンチのスコアは8時間30分前後と持ちは良いので独自の急速充電機構さえやめてくれればという感じです。
評価
ミッドレンジ価格にフラグシップグレードのSoC、LTE B19が使えるなどコストパフォーマンスは非常に高い本機ですが、VoLTEが日本キャリアでは使えないなどDSDVが要件である方はにはちょっと残念な仕様となっています。ビルドクオリティは高く、軽く非常に扱い易いサイズ感で美しい端末、カメラについてもプライスタグ的にはP20 proの半額近い値段であることを考えれば非常に優秀な端末なのですが、VoLTEが使えない点でかなり評価が変わる端末となっている感じでしょうか。当方的にはDSDVとVoLTEは2018年の端末としては必須だと考えているのでちょっと残念なところ。Huawei P20から重要な部分は採用しカットできる部分はカットし全体的によくまとまっている端末なのでDSDVが使えなくても良い、VoLTEは特に必要ないという方にはおすすめできる端末です….。
購入先
興味はがある方は以下よりチェックしてみていただければ幸いです。
最安価格については下記も参考にしていただければ幸いです。
記事を見ました。P20 Proとのカメラ比較で言われてる程の違いがわからないのですが、どのあたりに着目して見たら圧倒的な違いがありますか?
名無しさん様
暗所の作例が十分なものでなく申し訳ございません。
Honor 10はスマホのカメラとしては十分なものですが、ややソフトな仕上がりで詳細さが欠ける写真になりがちでコントラストがちょっと低いイメージです。
Huawei P20 Proはより低光量でも詳細さが保たれて、色味についてもメリハリが維持される感じでかつ、ノイズレベルも低いと当方は思っています。
当方的に特に違いを感じるのはノイズレベルの差でしょうか。
返信ありがとうございます。
honor10とP20proのカメラ対決は他のサイトでもいくつか見ていますが、違いがわからず、シャッフルして提示されても多分気づけないです。
それはこちらの記事でも同様で、説明を受けた今でも違いがわからず…。
スマホはカメラ重視で選びたいのですが、今回の収穫としては、自分の目が頼りにならない事がわかりました。(汗)
管理人様
いつも拝見させていただいています。
結局rootをとってもVoLTEが可能なのはsoftbank片側のみということで、役に立つ情報ありがとうございます。
他のサイトは全く理解せず書いているところが殆どだったので助かりました。
通りすがりじゃない様
コメントありがとうございます。
DSDVについては両方で4G待ち受けを有効化にするというオプションが紛らわしく、致し方ないやもしれません。
管理人様
有益な情報ありがとうございます。
私はDSDVではなく、DSDS機を必要としているのですが、本機はその様な使用が可能でしょうか?
DSDV機ではFomaSIMは使えないと言う話がありますが、
本機のDSDVがなんちゃって仕様であれば使えないか?と期待しています。
具体的には、SIM1:Foma(通話専用)+SIM2:LINEモバイル(Softbank回線でデータ専用)と考えています。
もし管理人様がFOMA SIMをお持ちであれば、テスト頂く事は可能でしょうか?
ryoryo様
当方Foma simを所持しておらず、残念ながらわかりかねます。
管理人様
返信ありがとうございます、foma simが無いという事で承知しました。
今後共サイトの方参考にさせて頂きます。
管理人様
返信ありがとうございます、foma simが無いという事で承知しました。
今後共サイトの方参考にさせて頂きます。
管理人様
いつも参考にさせてもらってます。
この度、nexus 6p の入れ替えでhonor note 10を購入しました。機種が違うので適応しないのかもしれませんが、
宜しければSoftbank系のsimでVoLTEを有効にする手順を教えていただけませんか?
ワイモバイルのsimを使っています。
kaz様
VoLTE有効化にはrootでの作業が必要であり、huaweiとhonorはもはや、bootloader unlockを許容しないので現状honorシリーズはもうどうにもなりません。
VoLTEが必要な場合は今後、honorシリーズはあまりおすすめできないブランドとなりました。
管理人様
ご返信ありがとうございます。
VoLTEが必須と言う訳ではないのですが、出来るのならやってみたかったのです。
やはり、HUAWEIのブートローダーアンロックサービスが終了したので出来ないということですね。
よく分かりました。
Googleplay等のアプリはどのようにして入れたのでしょうか。教えてください
グローバル版は最初からgoogle playがインストールされています。そうでない場合でもhuaweiのアプリストアからインストール可能です。