Teclast F7 Plus が今回のレビュー対象です。バジェットノートでは非常に品質の高い製品をリリースし当方も大変気に入っているTeclastです。Teclast F7のバージョンアップ版という感じのネーミングになっていますが、製品のデザインは大きく異なっていました。スペックや外観などをF7との比較を交えて見ていきたいと思います。
コンテンツ
Teclast F7 Plus 仕様
仕様としては以下の通り。CPUには Teclast F5と同様にIntel Gemini Lake N4100が採用され、メモリはDDR8GBとなっています。ストレージにはM.2SSD128GBが採用されたリソースについてはF5と同様なものになっています。ディスプレイはF7と変わらず14インチですが、CPUの世代変更とバックライトキーボード化、天板ロゴが光るという点が大きな違いでしょうか。天板ロゴが光る点は誰が得をしているのかわかりませんが….。
CPU | Intel Gemini Lake N4100 Quad Core |
GPU | Intel UHD Graphics 600 |
メモリ | DDR4 8GB |
ストレージ | M.2 SSD 128GB (M.2 SSDスロットで拡張可能 2242 2280対応) |
ディスプレイ | 14インチ IPS |
解像度 | 1920 x 1080 FHD 16:9 |
サイズ | 33.10 x 22.00 x 1.49 cm |
バッテリー | 6500mAh |
重量 | 1.6kg |
通信 | 802.11b/g/n/ac Bluetooth 4.0 |
インターフェイス | USB3.0×2、micro SD、mini HDMI、イヤホンジャック、 電源ジャック |
カメラ | 2MPフロントカメラ |
OS | Windows 10 Home 64Bit |
メーカーサイト
付属品
付属品としてはシンプルな内容です。特記事項としてはディスプレイに保護シートがインストールされています。いつも通り割と適当に貼り付けてありホコリの混入や気泡があるのはご愛嬌といったところ。
シンプルなパッケージ内容
- 本体
- 電源(EUプラグの為変換ソケットが必要)
- ユーザーマニュアル
ハードウェア
外観
Teclast F7ではオールメタルのCNCボディでしたが、Teclast F7 Plus は残念ながら天板、ミッドシェルの底面のみがメタル製でキーボード側のミッドフレームはプラスチック製になっています。カラーはF5と似たようなグレーカラーとなっています。カラーはメタル部分とプラスチック部分でマッチしていますが、やや安い印象を受けます。
ミッドフレームキーボード側はプラスチェック製
全体的に見てF7 PlusはフルメタルのF7と比べると、スタイリッシュさが失われている点は残念なところでしょうか。
F7 の方がデザインは個人的に好み。ソリッドなデザイン。
天板部分はロゴが光るギミックを追加したせいか、やや厚みがありそのせいでずんぐりした印象になっています。
光るロゴ部分はTeclastのフォントが丸みを帯びたフォントでかなり自己主張の強いものとなっています。
冒頭に触れたとおり、ミッドフレーム部分はキーボードの搭載されている面がプラスチックと思われる素材で構成されており、Teclast F5と同じ構成になっています。カラーは外装シェルとマッチしていますがコストカットが見て取れます。
そしてインターフェイスが配置されているミッドフレーム部分ですが、こちらも F7と比較すると厚みがあります。
厚みが増したミッドフレーム
底面には丸いゴム足が四つ配置されており、ボディの右下には M 2 SSD がネジ2本でアクセスできるようになっているストレージエリアが配置されています。プラスドライバーで簡単に開閉が可能で、蓋を開くとデフォルトでは2242サイズのM.2 SSD 128GBがインストールされています。
ストレージエリアはプラスドライバで簡単にアクセス可能
F7からの進化点としては2280サイズのM.2 SSDがサポートされたことにより、よりストレージを大容量化できることです。残念ながらNVMeはサポートされていませんが、拡張の選択肢が広がったのは良いことかと思います。
2280サイズがサポートされたストレージエリア
全体的に見て F7はソリッドなイメージのデザインでしたが、 F7 Plusは丸みを帯びたデザインに変更されている点は好みが分かれるところだと思います。当方的にはF7の ソリッドなデザインの方が格好が良いと感じますが….。
フットスタンプの大きさはほぼ両者で同じです。 MacBook Pro 13インチと比較すると一回り大きいイメージですが使い勝手はそれほど変わりません。14インチのサイズ感は使いやすく扱いやすいと感じています。
macbook proと比較すると一回り大きいサイズ感
ディスプレイ
ディスプレイは14インチの IPS ディスプレイで、解像度はフルHDです。視野角も広く画面もビビットでフォントがにじむようなこともありません。
左が本端末、F7と比較すると上部のベゼルがやや幅広
最大輝度も非常に明るく、輝度設定としては Windows から見た25パーセントでも十分な明るさが確保できます。左右のベゼル幅はF7とほぼ同様ですが、上部のベゼルは5ミリ程大きくなっています。しかしながらベゼル部分が黒くなっていることで没入感も高くこちらの仕上がりについてはF7 plusに軍配があがるところでしょうか。
視野角も十分
ディスプレイのガラス面にはデフォルトで保護シートがインストールされています。何気にteclast保護シートは品質が低くすぐ傷がつくイメージでしたが、本製品にインストールされている保護シートについては透過率も高く、傷がつきにくくなったと感じています。
ディスプレイについては良い印象ですが、唯一残念な点としては液晶ユニットとガラス面に隙間があり、フルラミネートディスプレイでないことです。ヒンジの開閉は一般的なノートと大差なく必要十分といったところです。
キーボード
Teclast F7 Plus のキーボードは 英字配列です。F7と比較するとキーボードの幅がシェル一杯まで広がっており、キーピッチもそのぶん余裕がある幅になっています。キーボードのクリック感はややストロークがありつつ、柔らかい感じになっており長時間キーボードを打つ作業にも向いていると思います。F7ではクリック感が強めのパンタグラフであったため、こちらについてはF7 Plusのほうが好みです。
キーボードエリアもわずかに大きくなっており使い易いサイズ
そして、本製品の目玉でもあるバックライトキーボードは、ファンクションキーによる無効、2段階の光量調整となっています。バックライトキーボードについては製品を使うにあたって当方的には評価ポイントではありませんが、暗所での視認性は高く便利な機能だなと感じています。
バックライトは二段階で光量を変更可能
気になった点としてはF7と比較すると、キートップがF7では少しざらついた触感の仕上がりでしたが、F7 Plusでは MacBookに近いつるっとした仕上がりになっているため、指紋跡がつきやすいという点です。
指紋痕が残り易い
タッチパッド
タッチパッドについてはF7と比較して、一回り大きくなっています。私がこの端末において一番気に入ったところとなりますが、このタッチパッドが非常にサラサラしており、MacBook Pro にも負けないくらいの使いやすさになっていることです。そしてクリック感も軽めになっており非常に良い仕上がりです。
Teclast F6 Proのように上位モデルで採用されていた指紋認証センサーは実装されていません。指紋認証はあると非常に便利なのですか、このコスト帯では難しいのでしょう。
インターフェース
インターフェースについてはレフトサイドに奥から USB 3.0、電源ジャック、ミニ HDMI の並びです、イヤホンジャックと電源ジャックが左右で分かれている点は挿し間違いがなく地味に良いところです。
ライトサイドは奥から USB 3.0、イヤホンジャック、マイクロ SD カードスロットの並びになっています。インターフェースについては USB Type C がサポートされていればなおベターだったと思います。
RJ45の物理的なLANインターフェースはサポートがないので、 USBで拡張する必要があります。
パフォーマンス
CPU
CPU はIntel Gemini Lake N4100 Quad Coreで、こちらについてはF5のレビューでも触れていますが、F7のApollo Lake N3450よりはパフォーマンスは上がっているもののエントリークラスのパフォーマンスであるためゲーム用途などにはもちろん向きません。ただモバイル用途と割り切って利用する場合、例えばオフィスワークやブラウジングいった用途であれば問題なく快適な利用が可能です。 エントリークラスのこういった CPU で普段使いで気になる点としては OS 起動、ログイン後各種アプリケーションが起動するまでやや時間がかかり、それらのプロセスが終わるまでは並行した作業にストレスがあるといった点です。
パフォーマンスについてはGeekBenchの結果を参考までに。Apollo Lakeの N3450とのベンチマーク比較結果は以下の通り。マルチスコアの結果を見てもそれほど大きくパフォーマンスが変わらないので、両端末を使用していても大きなパフォーマンス差は感じません。
またCPU のTDPが6Wで設定されているので、 BIOS でW数を変更してあげれば若干のパフォーマンスアップは見込めると思います。アンロックされているBIOSもTeclastの良いところ。
Gemini Lake N4100のベンチマーク結果(F7 plus)
Apollo Lake N3450のベンチマーク結果(F7)
ディスク
Teclast F7 Plus のストレージについては F5とほぼ同様の結果です。TeclastブランドのM.2SSD128GBが搭載されています。eMMCと比較するとパフォーマンスは高いですが、Teclast製のSSDにありがちな シーケンシャルライト及び4Kランダムリードのパフォーマンスの落ち込みがベンチの結果から見て取れます。2280のM.2 SSDまで選択肢が広がったので必要に応じて拡張すれば良いかと思います。
128GBM.2SSDの結果
取り替えるならWDのブルーシリーズでも十分でしょう。
システムディスクのコピーには外付けUSB製品を使い、EaseUSなどのディスクのクローン製品などを利用すれば容易に入れ替えが可能です。
グラフィック
グラフィックについては こちらもF5と述べた内容と同様です。CPU に内蔵されている HD 600となるため、パフォーマンスは高くはありません。 前世代のHD500よりはパフォーマンスが上がっていますが過度の期待は禁物です。ゲームができるグラフィックパフォーマンスではないということは認識しておいた方がいいと思います。
CINEBENCHの結果はオンボードではまずまず
サウンド
スピーカーはTeclastのほかの14インチ級のノートと同様、ミッドフレームの後部、液晶ヒンジ部のちょうど下あたりに配置されています。音量的には必要十分な最大音量、最大音量にしても音が歪むようなことはありませんが音量はそれほど大きくありません。しかしながらノートパソコンのスピーカーのクオリティとしては決して悪くなくむしろ良い部類かと思います。 こちらについても必要に応じて 外部インターフェースを利用して拡張するなど工夫をすれば良いかと思います。
OS
OS はいつも通りの Windows 10 Homeがプリインストールされています。
私はGearbestに発注していますが、検品のためか英語環境が構成されており手動で日本語環境へ変更する必要がありました。インターネット環境があれば言語パックがインストールでき、 OS のアクティベーションもされるためすぐに利用が開始できると思います。 Windows 10のDefenderで確認したところ特にブロートウェア、マルウェアががインストールされているようなこともなく、安心して利用が開始できると思います。
接続性
通信環境については無線 LAN 環境となり、デュアルバンド wi-fi がサポートされています。通信モジュールはTeclast F7と同様に Intel デュアルWIFI AC3165が搭載されていました。 デュアルWIFIおよびBluetooth がサポートされているので通信環境についても特に問題はありません。
インテルR ドライバー & サポート・アシスタントをインストールしておき、常に最新のドライバが利用できるようにしておけば良いかと思います。
バッテリー
搭載されているバッテリーは仕様の通りですが、大体利用した感じでは25%の輝度で7時間から8時間の利用が可能といった感じです。モバイル利用でもそれほど不都合がある利用時間ではないかなという印象です。
評価
Teclast F7 Plus はハードウェア全体としてはビルドクオリティもよく、特にキーボードとタッチパッドはすごく使いやすい作りになっています。F7と比べると重量が上がり、デザインもスマートさがややかけてしまっている印象ですが実際に利用した感じではF7より使いやすさは向上しています。ディスプレイの品質もよく、画面輝度も優れ、 必要十分なインターフェイスと比較的良いスピーカーの音質など評価できる点は多く満足度は高い製品です。TeclastのバジェットノートはRAM8GB搭載という点もほかのバジェットノートメーカーと比べてよい点だと感じています。
フルラミネートディスプレイでない事や1.6kgある重量、 誰が得しているかわからない天板の光るロゴが許容できれば選択肢として十分あり得る製品だと思います。
Teclast F7については以下のレビュー記事もあわせて確認いただければ幸いです。
購入先
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