※本投稿はgadgetfan3号氏による寄稿です。
コンテンツ
Xiaomi Mi Mix 3 グローバル版 レビュー
概要
Xiaomi Mi Mix 3は、Mi Mix 2やMi Mix 2Sの後継機として2018年11月にまず中国版が発売されました。中国版は6GB+128GBモデルが対応バンドが少なめで、8GB+256GBなどの上位モデルでは日本国内3キャリアの主要バンドに対応していました。
今回レビューする端末は遅れて発売されたグローバル版となり、6GB+128GBモデル1種類だけですがプラスエリアやプラチナバンドを含む、国内3キャリアの主要バンドに対応した端末となっています。
そして、最大の特徴であるノッチなしディスプレイとユニークなスライド機構を持ったカメラ部分に、Xiaomiならではのセラミック背面素材と金属素材の組み合わせによる高級感あふれる造形美を持った端末となっています。
仕様
Theフラッグシップといったスペックとなっていて、SD845、AMOLEDディスプレイ、フロント2リア2のカメラ、充実した対応バンド、ワイヤレス充電、QC4.0+などなど、現時点で可能な限りやってみましたと思えるような素晴らしい仕様となっています。唯一気になる点としては218gという重さで、実際に持ってみてもやっぱり重いなという印象です。
製品名 | Mi Mix3 |
---|---|
OS | MIUI(Android) 2019/01時点でMIUI10(Android9) |
プロセッサ | SoC: Qualcomm Snapdragon 845 Cores: 2.8GHz,Octa Core GPU: Adreno 630 |
RAM/ROM | 6GB+128GB(Global) |
ディスプレイ | AMOLED 6.39 inch 2340 x 1080(19.5:9) FHD+ |
カメラ | 24MP フロントカメラ: SONY IMX 576, 4-in-1 Super Pixel ,1.8μm large pixels 2MP フロントカメラ: OC0A10, 1.75μm large pixels 12MP リアカメラ: SONY IMX363, 1.4μm large pixels, f/1.8 large aperture, dual pixel autofocus 12MP リアカメラ: Samsung S5K3M3+, 1.0μm pixels |
SIMスロット | Dual SIM Dual Standby(nano-SIM) |
対応バンド | GSM: B2/3/5/8 CDMA1X: BC0/BC1/BC6/BC10 WCDMA: B1/2/3/4/5/6/8/9/19 TD-SCDMA:B34/39 CDMA EVDO BC0/BC1/BC6/BC10 FDD-LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/ 20/25/26/28/29/30/66 TDD-LTE: B34/38/39/40/41 |
WiFi | 802.11a/b/g/n/ac 2.4G/5G Wi-Fi / Wi-Fi Direct Wi-Fi 2×2 MIMO technology, supports MU-MIMO |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 Support AAC/apt/aptX-HD |
GPS | GPS:L1+L5 Galileo:E1+E5a QZSS:L1+L5 GLONASS:L1 Beidou:B1 |
センサー | Ultrasound distance sensor(音波近接センサ) Gyroscope(ジャイロ) Accelerometer(加速度) Electronic compass(電子コンパス) Ambient light sensor(環境光) Fingerprint sensor(指紋) |
バッテリー | 3200mAh, 10Wワイヤレス充電, QC4+対応 |
インターフェース | USB Type-C SIMスロット |
言語 | Multi language(日本語対応) |
サイズ | 157.9mm x 74.7mm x 8.5mm 218g |
付属品 | 本体 ACアダプタ(Cタイプ) ワイヤレス充電台 USBケーブル(A to C) マニュアル類(英語) USB Type-C to 3.5mmオーディオジャック変換ケーブル SIMピン 背面カバー |
その他 | Google Play ストア: インストール済 |
外観
正面からの見た目はやっぱり狭いベゼルとノッチなしディスプレイによる「The 全画面」っていう感じが印象深いです。ガラスパネルの端はラウンド処理されていますが、表示部分は平らなのでスクリーンフィルムの端が表示領域に被るということはありません。
背面はセラミックで出来ていてツルツルのピカピカです。安物の中華スマホにありがちなプラスチックに塗装したようなツルツル感ではなく、しっとりとした艶とでも言ったらいいのか、とにかく高級感たっぷりです。(※フラッグシップ機というプラシーボ効果も多少含まれているかもしれません)
左側面はSIMスロットとAIボタンです。AIボタンはデフォルトでGoogle アシスタントが起動されるようになっています。
右側面はボリュームボタンと電源ボタンです。ボタンが左右側面にあるので端末を持ち上げる時とかに間違えて押してしまうことが煩わしいと感じる事があるかもしれません。
上部にアクセスできるインターフェースやボタンはありません。マイク穴があるくらいです。スライド部分の隙間は個体差によって違うのかもしれませんが、この端末ではコピー用紙1枚分の隙間があるくらいで、まったく気になりません。
下部はUSB Type-C端子とスピーカーです。ステレオスピーカーっぽく見えますがモノラルスピーカー(右)です。もう片方は通話用のマイクです。
Mi Mix 3における最大の特徴であるスライド式のフロントカメラは、ノッチディスプレイが好みではない人にとって魅力的な部分なのではないかと思っていますが、そういう私もノッチディスプレイを使うくらいならベゼルが有っても良いという考えだったりします。
本機はカメラ部分が電気的に制御されているVIVO NEX SやOPPO FIND Xと違って、手動でスライドさせるので故障等で動かないというような懸念が無いのがいいですね。
スライド部分ははネオジウム磁石で固定される方式となっていて30万回の開閉に耐えるとあります。10分に1回開閉し続けたとして約5.7年なので気にする必要はなさそうですね。ただし、スライド部分には狭いながらも隙間が存在するので、その部分に砂埃が溜まったりすることによるトラブルには注意する必要がありそうです。あとスライドは結構固めなので、頻繁にセルフィー撮影する人には使いづらいと感じるかもしれません。
付属品
本体、カバー、USB ACアダプタやケーブルあたりは、割とどの端末でも見かける構成ですが、USB Type-C to 3.5mmオーディオジャック変換ケーブルやワイヤレス充電台が付属してるあたりは、さすがフラッグシップ端末だなと思わせるとともに、Xiaomiのワイヤレス充電にかける意気込みみたいな物も感じられて、箱を開けたときの期待感も高まる感じです。
付属のワイヤレス充電台は直径9.3cmくらいの丸形で、表面はシリコンコーティングでしょうか?端末を載せても滑らないようになっています。入力端子はUSB Type-Cです。他にもQuick Charge 4+対応ということですが、レビュー時点ではQC4/QC4+対応の充電器もほとんどなく、どこでも買えるという物でもなさそうなので、有線で急速充電したい場合は下位互換のQC3.0やQC2.0対応充電器を使うか、USB-PDと互換性があるのでUSB-PDの充電器を使うということが現実的です。
入力は5.0V-2.0A 9.0V-2.0Aと記載されているので、USB ACアダプタは2.0A以上供給できるものを用意したほうがいいようです。
付属のカバーはポリカーボネート樹脂っぽいハードタイプのカバーですが、表面がコーティングされているのか表面処理によるものなのか、ラバーコーティングとツルツルなプラスチックの中間というような触り心地です。カバー無しだとつるつるして落としてしまいそうな感じですが、カバーを着けることでかなり滑りにくくなります。ただ、せっかくの高級感たっぷりな背面が思いっきり隠れてしまうので悩ましいところです。
モバイルネットワーク(プラスエリア対応)
Mi Mix 3のグローバル版は、デフォルトで3キャリアの主要なバンドにほぼ対応しており、特に特別なことをしなくても良い所が非常に魅力的です。ちなみにdocomoとsoftbank回線はプラスエリアを含めて接続できることが確認できましたがau回線は未確認です。
3G回線の対応状況はdocomo系(赤字)、softbank系(青字)、(紫)はdocomo・softbank共通、(緑字)はauとなり、スペック上は3キャリア全てに対応しています。
GSM: B2/3/5/8
CDMA1X: BC0/BC1/BC6/BC10
WCDMA: B1/2/3/4/5/6/8/9/19
TD-SCDMA:B34/39
CDMA EVDO BC0/BC1/BC6/BC10
FDD-LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/29/30/66
TDD-LTE: B34/38/39/40/41
LTE回線は下記表の通りとなっており、プラチナバンドを含め3キャリアともに主要なバンドに対応しています。
LTE | BAND | docomo | softbank | au |
FDD | 1 | ○ | ○ | ○ |
2 | ||||
3 | ○ | ○ | ||
4 | ||||
5 | ||||
7 | ||||
8 | ○ | |||
12 | ||||
13 | ||||
17 | ||||
18 | ○ | |||
19 | ○ | |||
20 | ||||
25 | ||||
26 | ○ | |||
28 | ○ | ○ | ○ | |
29 | ||||
30 | ||||
66 | ||||
TDD | 34 | |||
38 | ||||
39 | ||||
40 | ○ | |||
41 |
下の画像はNetwork Signal Guruにて実機の有効なバンドを表示したものですが、スペック通りの対応状況となっていることがわかります。
VoLTE
VoLTEは、いつものコマンド「*#*#86583#*#*」をダイアルアプリで入力することで有効になって、両方のSIMによるDSDVもOKでした。
パフォーマンス
現状のハイエンドSoCであるSnapdragon845を搭載した本機では、Antutuベンチマーク(7.1.1)スコアが29万越えということで、他のSD845を搭載している端末と同じような結果となっています。SD835搭載の端末と本機を交互につかってみると、スクロール等のUI操作に関する部分にはあまり違いを感じませんが、ブラウザをでJavascript等を多用しているサイトをそれぞれ表示してみたときには体感できるくらい速度に違いがありました。厳密な計測をしたわけではありませんが、SD835機は3秒で完全に開くページを、Mi Mix3では2秒といったところです。
ストリーミング動画再生
Widvine CDMのSecurity LevelはL3なので、ストリーミング動画はSD画質までの対応となるようですが、スマホの画面で見ている限りではSD画質なのかHD画質なのか違いがよく分かりません。
ユーザーインターフェース
標準でインストールされているソフトウェアは必要最低限となっていて好印象です。(※画像のMagisk、Network Signal Guru、Device info HWは追加しています)
レビュー時点でのAndroidバージョンは9 PKQ1.180729.001で、MIUIバージョンは10.0.11.0です。
下記の画像はMIUIの設定の一部で、マナーモード設定時に音楽やゲームなどの音もミュートしてくれる設定が気に入ってます。
通知とステータスバーの設定ではバッテリー残量のパーセンテージ表示を設定できます。ナビゲーションバーのボタン配置入れ替えは全画面表示設定の「ミラーボタン」という設定で切り替え可能です。Slider settingsはカメラをスライドさせたときに実行させたいアクションとなっていて、デフォルトではフロントカメラが起動します。
あと、最近の大きな画面のスマホは全部この機能を付けてくれたらいいのになと思えるMIUI独自の「片手操作モード」が便利です。
外観のところで記載したAIボタンについてですが、長押し・2回押しそれぞれについて設定出来るようになっていて、「なし」にも設定できるので誤操作を嫌う人はその設定も可能です。
カメラ
Mi Mix 3のカメラは、リアが12MP+12MP、フロントが24MP+2MPで、リアメインカメラのセンサーはMi Mix 2S等と同じSony IMX363、リアサブカメラのセンサーがSamsungでロスレス光学2倍ズームを備えています。また4軸OISも搭載していて、DxOMarkのスコアがリアカメラで103というスライド機構と並んで注目すべきポイントの一つとなっています。
実際に撮影してみた限り、ほとんどの場面で非常に綺麗に撮影できました。ただしAIオンでの撮影は、状況によってコントラスト低下などが発生したので、AIやHDRはTPOによる使い分けが必要です。
画像1と2は1がAIオンで撮影した結果、コントラストが低下してしまった例
4の木々の画像は奥の細かい枝までよく表現できているなという印象です。
5と6は船上かつ手持ちという揺れる状態でもブレることなく撮影できて、逆光でも絵になる写真が撮れています。
7はカラフルな照明に照らされている駐車場をAIオンで撮影した作例で、8は夜景モードで撮影した場合です。
9と10は通常撮影と夜景モードの差が明確に分かる例として上げておきました。
他にも街並みであったり夜のビルであったりと、他にも色々撮ってみましたが手振れの少なさと解像感は素晴らしいですね。
※下記リンク先はオリジナルサイズです。ファイルサイズが大きいのでモバイルの方はご注意願います。
- 1.室内(AIオン)
- 2.室内(AIオフ)
- 3.食べ物
- 4.木々
- 5.海上から
- 6.海上から(逆光)
- 7.色々な色に照らされた夜景
- 8.色々な色に照らされた夜景(夜景モード)
- 9.道路の夜景
- 10.道路の夜景(夜景モード)
- 11.町並み
- 12.室内
- 13.夕暮れの町並み
- 14.夜のビル群
- 15.夜のビル群(夜景モード)
- 16.夜のビル群(2x)
- 17.広場
- 18.広場(夜景モード)
バッテリー
Mi Mix 3のバッテリー容量は3200mAhということで標準的な容量にとどまっています。Geekbench 4.3.2で3時間放電し続けるPartial Dischargeを実行してみた結果は3718(371.8分)で、他のハイエンドスマホと比べるとちょっと短いかなという印象です。あまり使わずに放置してても「あれ、使ってない割には減ってるな」という印象で、今後のチューニングに期待したいところです。
評価
まず、Xiaomi Mi Mix 3はハイエンドスなAndroidマートフォンを買おうかなと思っていて、ノッチディスプレイが好みでない人にとっては期待を裏切らない素晴らしい製品になっていると言えます。
優れた性能、高級感のあるデザイン、ベゼルなしのスクリーン、どんなときでも綺麗な写真を撮れる素晴らしいカメラ、国内3キャリアに対応したバンド、ワイヤレス充電による利便性などなど、数あるハイエンド製品の中でもオススメ出来る1台になっています。
バッテリー持続時間、非防水、重さなどといったネガティブな要素も無くはないですが、そこを許容出来るのであれば、きっとあなたを幸せな気持ちにしてくれる相棒となることでしょう。
購入先
最新価格情報は下記などを参考にしてください。
はじめまして。Mix3の紹介ありがとうございます。写真拝見したところ、とても綺麗に強化ガラスが貼られておりますが、どこの強化ガラスを使ってますか?
うち様
ガジェットファン3号に変わりまして回答いたします。
レビュー端末に貼られているのはガラスではなく、nillkinの保護フィルムです。
aliexpressで調達したものになります。