Leeco Le2 X520のプラスエリア化について記載します。こちらも以前に報告した通り、sim1/sim2でプラスエリア化が可能ですがプラスエリア化を実施するにあたって条件があります。それらを踏まえてみていきます。作業に当たっては前回のエントリを参照しroot化の実施、EFSのバックアップは必ず取ってください。
Leeco Le 2 X520のプラスエリア化について
作業を行う上で必要な条件はDFS toolがインストールされていること、端末がroot化されていること、QualcommのDiagドライバがインストールされていることです。またプラスエリア化を維持するためには特定のファームが必要です。EUIカスタムなどを入れるとカスタムromがファームウェアのアップデートスクリプトも内部に持っている場合が多く、DSDSが使えなくなったりプラスエリア化したband6が使えなくなったりします。少なくとも現在把握しているダメなファームとしてはChina stableの最新5.9 23Sはプラスエリア化が無理ですし、なぜか4G3GのDSDSも使えなくなってしまいました。インドromの場合は4G3Gがダメなどかなり面倒くさいです。じゃあどうすりゃいいのという点については最後のまとめに記載します。
Leeco Le 2 X520のプラスエリア化手順
今回のパターンはsim0側にのみband prefとrc bc configの値が存在しているのでDFS tool(setup dfs をダウンロード)で作業が実施できます。しかしながら4G3GのDSDSを維持しつつ、プラスエリア化を実施するには特定のファームウェアがインストールされた環境でのみ実現が可能です。Le 2 SD652版には様々なモデルとそれに対応したファームが存在しており、それらすべてを洗うには時間を要するため偶然見つけた条件がそろったX522のファームを利用します。事前にダウンロードしtwrpからフラッシュしてください。そのままflashできない場合は7zipなどでアーカイブを開き、デバイスバージョンチェックの行を削除すれば良いです。初回起動後は再起動からtwrpを起動しsupersuを導入して検証のための環境を整えます。
7zipで解凍ではなく”開く”を選択
該当のディレクトリまで移動し、updater-scriptをデスクトップにコピー
get_device_compatible(“le_s2_na”) == “OK” || abort(“This package is for \”le_s2_na\” devices; this is a \”” + getprop(“ro.product.device”) + “\”.”);の行をまるっと削除して、編集したupdater-scriptを先ほどの7zipのウィンドウへドロップ
ちなみ今回、自分の為にx522の20Sのファーム、モデムのみのflashable zipを作成したので、rom全体の書き換えが面倒な場合はそちらを使っても可能ですが、自己責任でお願い致します。
・x522_20S_modem_only.zip・・・モデムファームだけ書き換えるflashable zip
・x522_20S_firm.zip・・・すべて20Sのファームに書き換えるflashable zip
※5.9 23Sにx522のmodemだけ適用したら不安定になったため、二つのバージョンを作成しています。基本modemだけでokなはずです。
今回のx520はというかLeeco全般に言えることですが、band prefおよびrf bc configがsim1側の単一の値のみが存在し、DFS toolでの変更が可能です。Diagに入るためにadbインターフェイスからroot権限でdiagモードを有効にする必要があります。
Diagモードに入る
開発オプションからUSBデバッグを有効にした状態でPCへ接続し、コマンドプロンプトから以下を実行します。
- adb shell (USBデバッグの許可が出たら常に許可へチェックを入れ、OK)
- su (rootへスイッチ)
- setprop sys.usb.config diag,adb (Diagポートをオープン)
問題がなければQualcomm HS-USB Diagnostics 901D等でポートがオープンするので作業を続けます。
バンドを書き換える
冒頭に申し上げた通り、sim1/sim2で個別のパラメータをもっていないのでDFS toolによる作業が可能です。こちらはいたって簡単な作業です。DFS toolはユーザ登録が無いと利用できなくなっているので、下記エントリを参照し利用できる環境を作ってください。
まずはDFS toolを起動し”Products”タブからQualcomm toolを選択し”Launch”ボタンをクリックします。
Qualcomm toolが起動するのでDiagでオープンしているQualcomm HS-USB~をダブルクリックして接続します。
SPCのチェックマークをクリック
Bandタブを選択してBand PreferredをReadします。
続いて、RF BC Configを選択しReadをクリック
Band pref、RF BC ConfigそれぞれにWCDMA Ⅵを追加します。
最後にWriteをクリックして完了です。試用版の場合実際に書き込むまでにリードタイムが60秒ありカウントが終わると書き込みますかの旨のメッセージが出るので、OKをクリックして書き込みを完了してください。
検証
検証にはNetwork Signal Guruを利用します。しかしながらLeecoのようにband pref、rf bcの値が単一のものの場合、guruではsim2側のバンド固定ができません。設定として可能な部分は単一であるためほかに設定しようがなく、基本sim1側でband6接続ができれば問題ないでしょう。当方が住んでいる場所は高密度コンクリのマンションのためか、band6を優先的に使うためsim2側の確認も容易です。くどいようですが、guruはroot権限が必要です。ちなみバンドを書き換えた後、早々にLineagesOSへ入れ替えを実施しているのでLineageOS上での確認結果となっています。
まずは4G3G、DSDSの確認
問題なし
sim1にdocomo系のsimを挿しスリードットからband lock、wcdmaを選択しband5、6のみにlockします。
sim1側も問題なし
sim2側はband lockができないのでband6を良くつかむ場所でなければ確認は難しいですが、基本前述の説明通りとりたてて確認する必要はありません。
sim2側もばっちり
まとめ
正直なところ、Le Max 2とLe pro3と作業をしてきてプラスエリア化の可否については全く期待していなかったわけですが、若干の紆余曲折はありつつもプラスエリア化、維持ができてしまいました。Le pro 3のように何かしらのromへ入れかえたタイミングで設定がデフォルトに戻るといったこともなく、Le max 2のように指紋認証が死ぬこともありません。4G3Gの維持、プラスエリア化の維持は少々面倒かもしれませんが、たとえ23S以降のファームへ誤ってアップデートしてしまってもプラスエリア化時に設定した値は維持されるので、ファームを20Sのものに上書きしてしまえばプラスエリア化は復活します。EUIカスタムを利用しそのカスタムromが内部にファームウェアのアップデートを持っている場合はおそらく下記作成したflashable zipで上書きすれば4G3G、プラスエリア化の維持が可能だと思われます。
・x522_20S_modem_only.zip・・・モデムファームだけ書き換えるflashable zip
・x522_20S_firm.zip・・・すべて20Sのファームに書き換えるflashable zip
いつもこちらの情報を参考にさせていただいております。先日、Leeco Le 2 X520 を入手し、S2_X522-5.8.020S ROMを焼きエリアプラス化のBand設定しましたが、結局、私の端末では プラスエリア化はできていません。 Band Preferred が再起動のたびに 0x0C28 に書き換わる現象も発生しています。何かアドバイスいただけたら嬉しいです。
Takashi様
>and Preferred が再起動のたびに 0x0C28 に書き換わる現象も発生しています。
network signal guruは直接band prefを書換えます。その値はnetwork signal guruでband prefをB5、B6に固定した後に
設定を戻してないだけでは無いでしょうか。
>0x0C28
[Bit_19] GSM 850 band
[Bit_21] GSM PCS 1900 band
[Bit_26] WCDMA Band V – US 850 band
[Bit_27] WCDMA Band VI – JAPAN 800 band
また947の値を確認できているということは1877の値も確認できるということだと思いますので
投入されている値をお教えください。
アドバイスありがとうございます。その後、自己解決しました。結論から言うとプラスエリア化ができました。
ydss.cn 版 TWRP を導入し、 S2_X520-CN-FN-IEXCNFN5902303111S-5.9.023S ファームを焼いたところ、手持ちのX520でプラスエリアをつかんでおります。一応安定しているようなのでこのまま様子を見たいと思います。ちなみに、端末モデルは「X520」となっています。端末によってプラスエリア可能なファームに違いがあるのでしょうか?
ともあれ、ありがとうございました。
Takashi様
プラスエリア化出来たとのことで良かったです。
>端末モデルは「X520」となっています。端末によってプラスエリア可能なファームに違いがあるのでしょうか?
このモデルはファームが多数存在しており、まずは4G3Gが問題なく使えるファームを探すのが先決でした。
たまたまX522のファームがそれらの条件を満たしプラスエリア化できたので、その後深くは追っていません。
x520、X522、x526、x527と調べるのが大変だったので…。
いつも有益な情報をありがとうございます。X520に
x522_20S_modem_only.zip を焼いて、プラスエリア化は見事に成功したのですが(ROMはRRを焼きました)
不安定になった(ハングアップ、バッテリードレイン)ので、x522_20S_firm.zip を焼いてみましたが
状況が変わりません。
この機種はMiflashやQFILでSTOCK ROMに戻すことはできないのでしょうか??
X522のSTOCK ROMらしきものを見つけてきてEDLモードからMiflashでフラッシュしようとしましたが、
ポートは開いていてもエラーで焼けず、X520のSTOCK ROMをTWRPからインストールしようとしましたが、
EROOR 7 が出て(FIRMWAREが焼けないようでエラーが出ている?!)焼けませんでした。
購入後すぐTWRP入れた時に取っていたバックアップからRestoreしようとしましたが、
extractTarFork() process ended with ERROR: 255 でFIRMWARE領域のRestoreに失敗します。
お忙しいところ恐縮ですが、なにか良い復旧方法がありましたらご教示ください。
TECKY様
>この機種はMiflashやQFILでSTOCK ROMに戻すことはできないのでしょうか??
TWRPから各firmをいちいちアップデートしてくれるのでストックに戻すのは容易です。
まずerror7になった原因がログで出ているはずなのでそちらを確認ください。
extractTarFork() process ended with ERROR: 255は
バックアップデータに問題がある場合に出るエラーです。255になった原因になっているパーティションの
restoreをアンチェックすれば、restoreは可能だと思われますがこれは得策ではありません。
Leeco製品はtwrpからのrestore時にしばしば255で書き込めない事態が発生しますが
多くの場合、再度フルワイプからのrestoreを実施すれば問題なく解決することが多いです。
話が戻しますがerror7が問題なので、それらを解決すれば終わりです。update-scriptsの製品バージョン
チェックで引っかかっていませんでしょうか。
お忙しいところありがとうございます。早速チャレンジしてみます~
こちらの端末の購入を検討しているので、記載の情報には助かっています。感謝です。
一つ伺いたいのですが、ZenFone 3 UltraのrfnvファイルをLe 2 X520へ移植したらLTE Bandの追加は可能ですかね?
B18の追加が出来ればUQモバイルのマルチSIM(VoLTE)に対応が可能になると思いますので。
martec様
ご覧いただきありがとうございます。お問い合わせの件ですが、端的に申し上げるとやってみないとわからないです。そしておそらく無理です。
理由としてはrfnvファイルはデータレベルで端末間の差分が無数にあります。下記エントリを合わせ確認いただけますでしょうか。
https://gadget.hrksv.com/2017/08/04/post-6881
プラスエリア化して快適に使用していたのですが、ある事象に気がつきました。
圏外になるとフリーズしたようになって、シャットダウンしてしまいます。電源ボタン長押しで復帰はするのですが圏内になるまではシャットダウンの繰り返しです。
試しに金属製のお菓子の箱に入れてふたを閉めても同じ状況です。
皆さんの環境ではこのようなことはありませんか?
また、改善方法がありましたらお知らせくだされば有り難いのですが。
圏外となる場所に行くことが多く、使用に耐えないため、プラスエリア化を削除して使っていました。
その後、DFSでプラスエリア化した後にNetwork Signal Guruでband6のチェックを外してもSIM2側はプラスエリアをつかむ機種もあるとの情報を見つけ実施しようとしました。
検証も兼ねて、1ステップずつ圏外でシャットダウンするかを確認しながら実施したのですが、旧バージョンのDFSが立ち上がらないため最新バージョン(17.10.02.00)でプラスエリア化したところ、圏外でもシャットダウンしなくなりました。再起動もしません。
このため、Guruによるband6のチェック外しは行っていません。
DFSのバージョン17.06.14.00や17.07.26.00では、何度やってもだめでした。
DFSのバージョンだけが原因だったのかわかりませんが参考まで。
教えて頂けると幸いです。
こちらを参考にX520にLineageOSをインストールしてX522ファームを適用しています。
最初にtwrpのbackupメニューから念のためすべてをバックアップし母艦へ転送してありますが
これらを使ってリカバリーした場合でもファームはX522のままですよね。
ファームを元のX520に戻すにはどうすればよいのでしょうか。
Lobo様
お問い合わせありがとうございます。
ご質問いただいた内容ですと、leeco officailなx520中国版romにfirmはもちろん入っているのでそちらをフラッシュすればもとに戻ります。
こちらの情報を拝見して、X526をX522化、OSはResurrectionRemix-N-v5.8.3をインストールしてDSDSまではできるようになったのですが、「Diagモードに入る」部分で引っかかってしまいました。Qualcomm_QHSUSB_driverをインストールしようとしたのですが、デバイスマネージャ内にあるLeMobile Android DeviceのAndroid Composite ADB Interfaceを更新しようとしても「このデバイスに最適にドライバが既にインストールされています」となってしまい、DFSでポートを確認してもポートが出てきません。
対策方法がありましたらよろしくおねがいします。