UMIDIGI Z2 Proの実機レビューです。 mediatek の Helio P60を採用したモデルながら300ドルと言う割と強気の価格設定でリリースされた本モデルですがちょっと見ていきましょう。
UMIDIGI Z2 Pro レビュー
概要
UMIDIGIといえば前身のUMIの時代から mediatek SOC を採用した安価なモデルを精力的にリリースしているメーカーです。 2014年の末頃から安価ながら4G LTEが利用できると言うセールスポイントでelephoneやulefoneにやや遅れ旗揚げされたメーカーですね。
Z1 Proのレビューでも述べましたが、HummerやIronといったモデルではバッテリーサイズの詐称やDACを積んで高音質と謳っていたにもかかわらず、ノイズだらけだった製品には私も煮え湯を飲まされました。ele、uleと同様にしばらく手を出していませんでしたが、しぶとく生き残っていることから品質もよくなったのであろうかと久しぶりに手を出したのがUMIDIGI Z2 Proとなりました。
一応フラグシップラインとなり流行りのノッチディスプレイ、 Huaweiのトワイライトカラーからインスパイアされた特徴的なカラーリング、無接点充電、 LTE band 19への対応など キャッチーなモデルとなっていますかレビューしていきたいと思います。
仕様
大まかの仕様は後述のテーブルの通りです。SOCには mediatek helio P60、6.2インチの ノッチ ディスプレイFHD+、フロントリアカメラ共に16メガピクセル+8メガピクセルのデュアルカメラ、 RAM/ROMのコンビは6GB/128GBに加え無接点充電、 LTE Band 19対応などフラグシップグレードと呼ぶにはやや SOC が弱い気がしますがスペック的にはそれなりといったモデルとなっています。
製品名 | UMIDIGI Z2 Pro |
---|---|
ディスプレイ | 6.2インチ 2246×1080ピクセル ノッチディスプレイ |
SoC | Mediatek Helio P60 MT6771,Mali-G72 MP3 |
RAM/ROM | 6GB+128GB |
カメラ | リア: 16MP +8MP フロント: 16MP +8MP |
対応バンド | 2G:GSM B2 / B3 / B5 / B8 3G:WCDMA B1 / B2 / B4 / B5 / B8 CDMA BC0 / BC1 TD-SCDMA B34 / B39 4G:FDD-LTE B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B13 / B17 / B18 / B19 / B20 / B25 / B26 / B28A / B28B TDD-LTE B34 / B38 / B39 / B40 / B41 |
bluetooth | 4.2 |
バッテリー | 3550mAh |
サイズ | 15.34 x 7.44 x 0.83 cm 165g |
os | Android 8.1 |
カラー | トワイライト、カーボンブラック、セラミック |
付属品
付属品については以下の通り。セラミックモデルには無接点充電器がついていますが私が発注したトワイライトカラーについてはそちらはついていません。ディスプレイにはデフォルトで保護シートがインストールされており、 TPU ケースも付いているので事前にそれらを用意する必要なく利用開始ができます。
Type-C to A USBケーブル
Type-C to Earphonejack
電源アダプタ(EUソケット)
simピン
ユーザーマニュアル
TPUケース
ケースはしっかりとしたつくりだがトワイライトカラーとは合わず….
デザイン
デザインとしては流行りのデュアルグラスデザインで比較的薄めのメッキ処理されたメタルのミッドフレームでサンドされたデザインとなっています。背面のアークと薄めのミッドフレームからスペック上の厚みより薄く感じハンドリングも悪くないです。 重量も165gと軽くファーストインプレッションはすごくいいじゃないかという印象でした。
すっきりとしたデザインで本体も軽くハードとしては美しい部類
フロントサイドは前述の通り、ノッチディスプレイデザインとなっておりノッチ幅はやや広めです。ボトム部分の非表示エリアもそれほど大きくないのでディスプレイの没入感も好印象です。 19対9の IPS LCD もやや色温度は高めですが日本人好みの発色でコントラストも十分、シャープで綺麗なディスプレイとなっています。
ただ、フロントデュアルカメラによるエリアの制限か通知 LED が無いなどやや不便な点は気になるところです。またフロントカメラを使った機能で言えばスリープ状態から端末を持ち上げるモーションによりフェイスアンロックが利用できるなど便利な機能もサポートされています。
ノッチエリアはやや広め
バックサイドは本端末の特徴の一つでもあるトワイライトカラーで彩られています。好みはあるかとは思いますが huawei p 20 Pro と比較しても色が濃く出ており美しいカラーに仕上がっているのではないでしょうか。 LED フラッシュを除きシンメトリーなデザインになってるのも私的には好みデザインです。 指紋認証についてはストレスなく使え認識率も悪くはありません。
カメラのバンプはややあるが0.2mm程度
huawei p20 proとのカラー比較
ボトムサイドには左からマイク、 USB Type C、 スピーカーの並びとなっています。スピーカーから出力される音はあまり期待していなかったのですが、ボリュームレベルも十分で明瞭な音を出力してくれます。
トップサイドには集音マイクのみでイヤホンジャックはこの端末ではサポートされていません。
レフトサイドには SIM トレイのみで SIM トレイは NanoSIM +ハイブリッド仕様のトレイとなっていますが、トレイに SIM 番号の印字がない、フロント側を正面にした場合トレイの向きが逆になっているなどやや利便性にかける仕様です。
simトレーは印字無しでやや使いづらい
ライトサイドはフレームと同一カラーでメッキ処理されたボリュームボタンと電源ボタンで構成されています。ミッドフレームカラーはガンメタリック調のメッキ処理になっており落ち着いた風合いな格好が良いものです。
SIM トレイのビルドクオリティはあまり高くありませんが、全体的に見た場合は綺麗に作られたハードになっているという印象です。デザインだけ見れば個人的にはシンプルでかなり好みのデザインだったわけですが…..。
ハードとパフォーマンス
SOC には mediatek の Helio P60となっているので、Snapdragonと比較するとパフォーマンスとしては SDM 660 AIE と近いものとなっています。 Antutuベンチマークのスコアとしてはほぼ同じぐらいの13万前後のスコアです。ミッドハイクラスのパフォーマンスとなるので利用にあたっては快適に動作しストレスを感じないものとなっています。PUBGなども標準画質設定であればそつなくこなすレベルではあります。しかしながらSDM 660 AIEを積んだXiaomi Mi 6XやA2が200ドル前半で買えることを考えると正直なところコストパフォーマンスはそれほど高いものではありません。
ユーザーインターフェースと OS
UMIDIGI Z 2 PROは mediatek SOC 向けの aosp ベースとなっており、素の Android にカスタムが入ったものとなっています。 aosp ベースというところから日本語のリソースも含まれており、日本語の環境で不都合なく利用できるものとなっています。
デフォルトのランチャーはLauncher3ベースとなっており、 一番左のスペースが Google Now 表示となっているので作りとしては Google Now ランチャーに近いものがあります。
1024OTAではフルスクリーンジェスチャーもサポートされましたが、流行りのデュアルアプリの機能などは現在もサポートされていません。
最新におアップデートでフルスクリーンジェスチャーがサポート
フリップアクションに割り当てる機能
MTK端末ではおなじみのDuraSpeed
フェイスアンロックは便利に利用ができます
またリリース直後の OS はピンコードを設定すると再起動後に二度とアンロックできなくなる、近接センサーが不安定、自動輝度設定が動作しない、日本キャリアの SIM でVoLTEが利用できない、無接点充電使用時に非常に高温になると言った様々なバグがありよくこれで出荷したなというひどいクオリティでしたが、前述のアップデートで wi-fi の5 GHz が異常に不安定なこと以外は概ね解消されています。
リリースからおよそ一か月程度でやっとまともな端末に近づいた感じです….
接続性
0926のOTAまではDSDVがサポートされた端末ながら、日本のキャリアでVoLTEに接続できないためDSDVで利用できないなど、 LTE Band 19のアドバンテージがあまり感じられない不具合がありましたが1024OTAにより問題を解消されました。私が確認できる限りですが、ソフトバンク、ワイモバイル、ドコモ系の MVNO において問題なくVoLTEが利用できるようになりました。
※0926の状態でも強制的にVoLTEを有効にする方法を発見しましたが今回はお蔵入りです。
UMIDIGI Z2 ProでDSDVできるように設定してみました。たぶんZ2もいける。
ただやっぱりいろいろ駄目な子です。 pic.twitter.com/F82zdz60YL— gadgetfan (@gadgetfan111) 2018年10月23日
利用可能なLTEはDocomo系(赤字)やSoftbank系(青字)、紫は両キャリアで共通で以下の通りです。
対応バンド | 2G:GSM B2 / B3 / B5 / B8 3G:WCDMA B1 / B2 / B4 / B5 / B8 CDMA BC0 / BC1 TD-SCDMA B34 / B39 4G:FDD-LTE B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B13 / B17 / B18 / B19 / B20 / B25 / B26 / B28A / B28B TDD-LTE B34 / B38 / B39 / B40 / B41 |
カメラ
カメラについては0926OTA以前はスタートアップ中華スマホにありがちなフェイクデュアルカメラでしたが、以降のアップデートでセカンダリカメラも使われるような修正が入りました。
カメラアプリについては mediatek SOC 向けのカメラアプリがベースになっており、そちらに近い作りになっていますが前述のアップデート以降はボケモードがステレオモードという名前に変更になっており、クオリティはそれほど高くありませんがポートレートモードが取得できるようになっています。モードとしては動画、画像、ステレオ、パノラマモードとなっています。
画像モードで取得できる写真について全く期待していなかったのですが、昼光下においてダイナミックレンジはそれほど優れていないものの、シャープでコントラストも十分、詳細さを保った画像を取得することができました。暗所においても意外と悪くないパフォーマンスを示し ノイズレベルも完璧ではありませんが見た目に近い写真が取得できます。
※下記リンク先はオリジナルファイルです。モバイルの方は開かないように注意ください。
バッテリー
バッテリーサイズは比較的大きめの3550mAhとなっています。強烈にタスクキルが効く他の中華端末と比べ、正直なところバッテリーの持ちはあまり良くありません。 aosp ベースのROM自体がXiaomi A1でも見られたようにバッテリーの持ち自体があまり良くないのですが、こちらの端末はさらに悪く蛍光灯下で PC Markのバッテリーベンチを回した結果6時間30分と残念な結果となっています。
いまいちな結果に….
Pump Expressによる給電が5Aの強烈な給電になっていることが救いでしょうか。
評価
デザインやカラーリング、見た目の美しさは評価に値するものですが、現時点でのソフトウェアのクオリティを考えると到底300ドルを許容できるものでありません。 およそ一か月の修正である程度使える端末にはなりましたが、ピンコードのアンロックバグなどユーザーが15分ぐらいで気づく致命的なバグを放置しリリースしてしまうその企業体質は2014年下期から変わっておらず、bbk グループやXiaomi、などのメジャーメーカーと大きく品質に隔たりがあると感じずにはいられません。200ドル以下の端末でたまには安牌以外で…というノリならまあ別にという感じですが300ドルはなあ…..
購入先
現在ギアベストでトワイライトカラーは279ドルのフラッシュセールとなっています。気になる方は以下よりチェックください。
代替の提案
SOC 的に見れば SDM 660 AIE端末が対抗馬となり200ドル前半で買えるXiaomi A2などのほうがお勧めできる端末です。
また300ドルという価格的な側面で見ればPoco F1の方が圧倒的にパフォーマンスが上であり、今後のサポートも含め長期にわたって使える端末なので断然こちらをお勧めしたいと思います。
ハードもダメだと思います。
自分も使っていましたが、アップデートの最後まで
5GHzのWi-Fiは最初からマトモに動きませんでした。
SSID上では5GHzは認識されているのに、接続させようとすると
失敗するので、曲がりなりにも少しは動作していると思いますが、
ファームのアップデートで修復されるようには見られませんでした。
としろー様
5GHzはてんで駄目ですね。ちょっとハードの問題かソフトの問題かは判断できませんが….
価格的に今ひとつ魅力を感じないですね。
筐体の質感が少々安っぽいのを許容できるなら、同じ価格帯ならばPocophone F1の方が性能・作りで圧倒的に勝っているのではないかと思います。
(LTE Bandのサポートが悪いという難点はあるものの)
市野川様
おっしゃる通り、この価格帯はpoco f1です。
今後のサポートも圧倒的な差があり比較にすらならないレベルですね。