ASUS ZenFone 5 ZE620KL 海外版のレビュー 日本版との違いなど

ZenFone 5 ZE620KL海外版モデルのレビューです。2週間ほどデイリードライバとして使ったので日本版との違い等々見ていきます。

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ZenFone 5 ZE620KLについて

先日より日本でも販売が開始されたZenFone 5 ZE620KLですが、日本では「5」、「5Z」、「5Q」の3モデルが順次販売される予定となっているようですね。今回は「5」の海外版、利用できるバンドでA、B、Cとバージョンが
別れていますが、二番目に利用バンドが多くドコモプラスエリア関連がカバーされているBバージョンがレビュー対象となります。ZenFoneといえ前世代モデルは価格設定にちょっと疑問が残る、その他中華メーカー製品との価格差が気になり実は当方は所持したことが無いブランドでした。

仕様

見た目からして明らかにiPhone Xからインスピレーションを受けたデザイン、ノッチが特徴的な19:9のディスプレイの製品です。SoCはSnapdragon 636にRAM4GB/ROM64GBとミッドローとミッドハイのちょうど中間にあたるレンジのモデルとなっています。SDM636は独自の機構AIブーストによって前モデルのSDM660とあまり変わらないパフォーマンスが発揮できるとうたわれていますが、そういった点も確認していきます。デュアルで構成されたAIカメラはIMX363センサーで構成されていますが果たしてパフォーマンスはいかがなものでしょうか。

製品名
モデル ASUS ZenFone 5 ZE620KL
カラー ブラック、シルバー
システム
OS Android 8.0
SoC Qualcomm SDM636 Snapdragon 636, Adreno 509
RAM/ROM 4GB or 6GB/64GB
画面
ディスプレイサイズ 6.2 インチ 19:9 IPS LCD FHD+ Gorilla Glass
カメラ
フロントカメラ 8.0MP f/2.0
バックカメラ デュアル 12MP f/1.8 Sony IMX363
ネットワーク
タイプ GSM / WCDMA / FDD / TDD (Bバージョン)
バンド 2G: GSM B2/B3/B5/B8
3G: WCDMA B1/B2/B3/B5/B6/B8/B19
4G: FDD-LTE B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B28
TDD-LTE B38/B39/B41
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac デュアルバンド
BTのバージョン 5.0
バッテリー
容量 3300mAh
サイズ
製品のサイズ 153* 75.65* 7.7mm
製品の重量  165g

付属品

付属品は以下の通り。

Type-C to A USBケーブル
イヤホン
電源アダプタ(EUソケット)
simピン
ユーザーマニュアル
TPUケース

デザイン

前モデルはオールメタルデザインでしたが、本モデルはiPhone Xと同様にグラスバックデザインと変更されています。カメラは垂直の並びとなり指紋スキャナを中心に放射線状に光が反射する8層ガラスコーティングのZenサークルが特徴の印象的なデザインです。ミッドフレームは丸みを帯びたメタル製でエッジはダイヤモンドカットされアンテナラインが5つのポイントに入っていますが、デザインを邪魔しない美しい仕上がりになっています。

フロントサイドは両サイド、トップ部分がミッドフレームを除き1.5mmほどのベゼル幅となっており、4隅がかなり丸みを帯びた処理になっているディスプレイでトップ部分にノッチが鎮座しています。ノッチデザインは当方的にはまったくイケてないものと利用する前は考えていましたが、いざ利用して見ると意外と気にならないもので馴れてしまえばどうということはありませんでした。ディスプレイは非常にシャープで輝度、視野角も十分、日光下でもまったく問題のない視認性を示し美しい表示を提供してくれます。AIアシストにより色温度をダイナミックに変更する機能もありますが、つかった感じではそれほど大きく色温度の変化を感じませんでした。またフロントカメラを使った顔認証は概ね良好です。

バックサイドにはデュアルLEDトーンフラッシュに垂直に配置されたデュアルカメラ、指紋認証エリアが配置されています。指紋認証エリアはやや小さめのデザインとなっていますが、認識率も高く便利に利用が可能です。バックガラスは2.5Dの構成となりダイヤモンドカットされたミッドフレームデザインとスムースにつながっています。ガラスデザインとなるため指紋跡はどうしてもついてしまいます。冒頭に書いた通りZenサークルのデザインは好みが別れる点かと思います。

ボトムサイドにはイヤフォンジャック、Type-Cポート、マイク穴、スピーカーが配置されています。スピーカーはフロントトップのスピーカーと合わせてステレオサウンドが提供される為、かなり良い音を奏でてくれますがトップ側の音量はボトムと較べてやや小さい音になっているように感じます。

トップサイドはマイク穴のみ。

レフトサイドにはトップ側に穴が空いていますが何に使っているのかが不明、Simスロットの並びです。SimスロットはMicroSD排他利用のハイブリッド、デュアルnano Sim構成です。気になる点としてはスロットの深さが浅く、simをマウントして刺す際にスライドさせるとsimがずれてしまいフラストレーションが溜まる点がやや残念です。

ライトサイドは上からボリュームボタン、電源ボタンという並びです。クリック感はやや固めですが浮きも無く使用感も悪くありません。

全体的に見て最近の端末ではよくあるオーソドックスなデザインですが細部にこだわりを感じる仕上がりで高いビルドクオリティであると感じます。

ハードとパフォーマンス

SoCはSDM636ということでミッドレンジの製品ですが、ASUS独自のAIブースト機能により確かにSDM660に近いスコアが出ています。比較対象は直近で使っていたSmartisan Nut Pro 2です。初期ROMはかなり動きが悪く使っていてパフォーマンスが気になりましたが、OTAにより改善しスムースな動きになりました。ミッドレンジとしてはかなり優秀な部類でAdreno 509との組み合わせで大抵のゲームは不満なく動いてくれる感じとなっています。pubgも標準画質で難なく動作しました。選択できるROMは64GBとなりますがMicroSDで拡張可能なのでシングルsimで利用する場合なんの不都合もないと思います。

SDM636 AIブースト有りのZenFone 5

SDM660のSmartisan Nut Pro  2

ユーザーインターフェイスとOS

当方は以前、ZENUIがもつアプリケーションたちがGoogle謹製の機能と重複している点についてかなりイケてないイメージを持っていました。しかしながら今回のZENUIは独自の機能に特徴を持たせうまく機能する良い仕上がりになっています。ツインアプリやZenMotion(タッチジェスチャー、モーションジェスチャー)といった機能は中華端末ではオーソドックスな珍しくない機能ですが、バッテリーモードを変更するPowerMasterはAIブーストと合わせて利用シーンに応じたバッテリー管理を提供してくれ、必要なときに最大限のパフォーマンスが引き出せうまく機能してくれます。ランチャーのカスタマイズ性も申し分なくサードパーティランチャーが特に必要がないくらい便利な仕上がりです。欲を言えば、フルスクリーンジェスチャーのサポートは欲しかったところです。また日本版と海外版を比較した場合、海外版にはディスプレイのノッチを隠す機能はまだ機能として実装されていません。

使いやすいランチャー

トグルも大きく使いやすい

海外版でももちろん日本語はサポート

ソフトキーオンリーでフルスクリーンジェスチャーのサポートはなし

色温度のカスタムも可能

指紋認証、顔認証ともに快適に動作

拡張機能は中華端末ではおなじみの機能が多い

ツインアプリはいわゆるデュアルアプリ、主要なSNSはサポートしている様子

ゲーム動画配信者にありがたい機能、端末単独でインカメラとゲーム画面を同時キャプチャ可能

Project Treble対応なOreo、近い内にAOSP系ROMが出てくることでしょう

接続性

接続性については海外版において残念な点の一つです。XiaomiのVoLTEキャリアチェックのように海外版で日本キャリアをつかった場合VoLTEが一切利用できません。この理由により日本版でサポートしているSDM636の目玉のDSDVが使えないのです。よって国内での利用の場合DSDSとなってしまう点は留意が必要です。DSDSについてはSoftbank系simでも3Gが使え特に問題なくDocomo系との組み合わせて4G3Gが利用可能です。またサポートしているバンドは両キャリアのものがプラチナエリア分も含まれるため、利用できるバンドでの不便さは一切ありません。

利用可能なLTEはDocomo系(赤字)やSoftbank系(青字)、は両キャリアで共通で以下の通りです。

2G: GSM B2/B3/B5/B8
3G: WCDMA B1/B2/B3/B5/B6/B8/B19
4G: FDD-LTE B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B28
TDD-LTE B38/B39/B41

 

カメラ

カメラについてはASUSが自信をもっている部分のようで、昼光下では詳細さや露出等々は至って問題がなく綺麗に撮れる良いカメラですが、色の再現性がややわざとらしい濃い色味、黄緑はかなり濃い緑側にシフトなどになる点は好みが別れると思います。またAIカメラの所業なのでしょうか屋内でのダイナミックレンジが結構不安定で、たびたび顔の色合いが白く飛んだ画像が撮れがちなのが気になりました。また暗所についてもそれらの機能によるものなのか、わざとらしいくらい明るい画像にするような動きになるのかシーンによってはややノイズがのってしまうことがありました。カメラアプリの作りもよくキャプチャも早いので軽快に写真は撮れますが、全体的に見ても絵作りは好みで評価が変わる部分だと感じています。ASUSはAIカメラによりシーンによってカメラの設定を自動で変えているとうたっていますが、色味がころころ変わってしまう点は当方は正直なところあまり好みではありません…

※下記リンク先はオリジナルサイズです。モバイルの方はクリックしないようにお願い致します。

バッテリー

バッテリはー3300mAhとここ最近の端末では普通なサイズになっています。PowerMasterによりバッテリーの持ちは大幅に伸びますが、デフォルトのスマートモードではSDM660を積んだ端末とあまりベンチの結果は変わりません。シングルsim、wifiオフ、蛍光灯の下でPC Markを回すと大体9hという結果です。一日の使用には十分なパフォーマンスがあり問題なく利用が可能です。

また充電についてはAI充電という機能が実装されていますが、AI充電がオンである場合使用習慣を記録し睡眠時には充電器に接続されていても充電率を80%で維持し起床後、使われ始めると80%から100%まで充電するといったバッテリーケアを意識したインテリジェントなシステムになっています。これらの機能がオフの場合単純に

  • 0~70% 2Aでの給電
  • 70%~90%は1.5Aでの給電
  • 90%~100%は1Aでの給電

となり大体2時間弱で満充電となること確認しました。わかっている人間には良いコントロールだと思いますが、ライトユーザーはこれをほぼ意識することは無いと思うで字面だけ見ると混乱しそうです。またスケジュール充電の場合は「使われていない際の80%充電状態」を何時から何時までコントロールするかを明示的にセッテイングすることになります。

評価

ASUS ZenFone 5はミッドレンジの優等生といった出来です。大抵のユーザーの要件を満たすことができるパフォーマンスを秘めた非常に良くできた端末であると感じています。ノッチディスプレイやZenサークルのデザインが好みに合えば、(好みはあれど)優秀なカメラに必要十分はハードウェアスペックと多くの方が満足できる出来ではないでしょうか。一部機能がAOSPからかけ離れたコントロールになっていたとり、やや分かりづらい機能実装があったりもしますがライトユーザーが使う場合はそれを意識してコントロールしなくてもほぼ問題なく運用できますし、ヘビーユーザーは意識したコントロールができるようになっているので使っていて楽しい端末です。注意点としては海外版はDSDV、VoLTEが使えないけどやや安く購入が可能、国内版はそれらが利用可能なので要件によって取捨すると良いかと思います。また公式にBootloader Unlockがサポートされた端末ですでにroot化が可能、テストビルドなTWRPもあるのでこれから遊びの幅が増える点も良い感じですね。

購入先

現在Gearbestの日本限定クーポンにより海外版が$408.99になっています。気になる方は下記よりチェックいただければ幸いです。国内版は税込み57,000円、海外版は45,000円といった感じです。

Asus ZENFONE 5 ZE620KL 4G Phablet Global Version

$408.99 $429.99

最新の価格情報等は下記を参考にしてください。

 

8.9 Total Score
Good!

ミッドレンジでの優等生、端末は美しく、ディスプレイやカメラ、SoCのパフォーマンスも秀た端末。Bootloader Unlockも可能で将来的に遊べそうな楽しみを秘めた製品。

ハードウェア
9
デザイン
9
ディスプレイ
8.5
ソフトウェア
9
カメラ
8.8
PROS
  • 細部にもこだわった美しいデザイン
  • 19:9の美麗なディスプレイ
  • AIブーストによるSDM660に引けを取らないパフォーマンス
  • 気軽に美しく撮れるカメラ
  • MicroSDによるストレージの拡張
  • 顔認証、指紋認証ともに優秀
  • ステレオサラウンドなスピーカー
CONS
  • カメラの色の再現性は好みが別れるかも
  • DSDV、VoLTEが日本キャリアで利用できない
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