gadgetfan3号です。1号からレビューの機会が与えられたので中国のJMGOというメーカーから発売されたプロジェクタ「JMGO M6」について使用感のレビューをしてみます。
仕様
まずはメーカーホームページ等に記載の仕様です。
AndroidベースのOSを搭載しているため、単体で起動してコンテンツを楽しむことが出来ます。素子の解像度は854 × 480ですが、4Kや1080Pの入力もサポートしているようです。
JMGO M6 | ||
ハードウェア | メインチップ | 4コア |
RAM/FLASH | 1GB DDR3/8GB eMMC | |
OS | Android 7.0ベース | |
リモートコントロール | 赤外線リモコン | |
スピーカー | 内蔵 | |
バッテリー | 内蔵 | |
光学系 | 明るさ | 200 ルーメン |
コントラスト比 | 1000:1 - 3000:1 | |
投影距離 | 0.5m - 2.65m | |
イメージサイズ | 20インチ - 100インチ | |
投影比率 | 1.2:1 (60インチ@1.44m 80インチ@2.12m) | |
解像度 | 854 × 480 | |
モード | フロント/リア/天吊り | |
キーストーン | 縦±40° | |
フォーカス | マニュアル | |
デジタルズーム | サポート | |
インターフェース | ネットワーク | 802.11 b/g/n dual-band |
有線ビデオ / オーディオ入力 | HDMI | |
無線ビデオ / オーディオ入力 | Airplay / Miracast | |
Bluetooth | 4.0 | |
USB | 2.0 × 1 | |
電源 | 電源アダプタ | DC12.0V 3.0A |
消費電力 | 22W | |
入力電圧 | AC 100 - 240V | |
サイズ | 重量 | 製品重量 0.5kg / パッケージ重量 1.3kg |
製品サイズ(L×W×H) | 19.4cm × 10.2cm × 2.9cm | |
パッケージサイズ(L×W×H) | 30cm × 26cm × 7cm | |
フォーマット | 画像 | JPG / PNG / BMP |
ビデオ | MPEG1 / MPEG2 / MPEG4 / H.264 / HEVC ( H.265 ) / DIVI / VC1 / RM / AVS / AVS+ / VP8 / VP9 | |
オーディオ | MP1 / MP2 / MP3 / WMA / OGG / AAC / M4A / FLAC / APE / AC3 / AMR / RA / WAV |
パッケージと付属品
製品の外箱です。
パッケージの外観と収納された状態は、高級感とまでは行きませんが値段相応のソレらしい感じがします。
付属品は本体、クリーニングクロス、説明書、専用USBケーブル、ACアダプタ、電源変換アダプタでした。マニュアル記載の添付品一覧には電源変換アダプタは書かれていなかったので、購入する時期やキャンペーン等によっても付属が変わってくるかもしれません。※収納箱の絵に本体一体型リモコンとは別のリモコンのような絵が書かれていましたが付属していませんでした。
外観と機能
パッケージサイズから想像していたよりも小さく、大きめのポケットであれば入りそうなサイズです。昔あったVAIO typePみたいな感じです。外観はパット見で金属のように見えますが、プラスチックに金色の塗装が施されていてます。
写真下側にあるカバーは開くことが出来て、中にはLightning、MicroUSB、USB-TypeCのアタッチメントが入っています。アタッチメントには磁石が内蔵されていて、スマートフォンをドックスタイルで接続できるようになっています。
ちなみに、このアタッチメントは磁力がかなり強くて、プロジェクタから指だけで取り外すことが結構大変です。プロジェクタと接続されていない収納されているだけのアタッチメントは、それ以上に取りにくいです。このアタッチメントと専用USBケーブルを使って側面のUSB端子へ接続することも可能です。
ドックスタイルとUSBケーブル接続どちらの場合でも、iPhoneは標準状態で画面のミラーリングが可能でしたが、Android端末ではミラーリング用のアプリをインストールする必要があるようです。
側面にはHDMI端子、USB端子、DC入力、電源スイッチがあります。HDMIは言わずもがなということでUSB端子ですが、USBケーブル接続でのミラーリングの他に、USBメモリ内のファイル再生が可能でした。電源スイッチをバッテリー側へスライドさせることでUSB機器への充電がおこなえます。ただし、本体内蔵のバッテリーは電源オフで使用していないときでも減っていくので、あまり役に立たない感じで残念です。※使わなくても1週間程度で満タンから0になる感覚です。
プロジェクタ前面の部分が外れるようになっており、外れた部分がリモコンになります。この仕組は合理的で便利だなと感じました。ただ、プロジェクタを使うような暗いところで操作した感じでは、結構押し間違いしてしまいます。
投影部のレンズとその横にあるのはフォーカス調整ようダイヤルです。下側についているスタンド部分を開くことで、プロジェクタ本体に角度をつけられるようになっています。スタンド部分は開くか閉じることしか出来ないので細かい角度調整はできません。
背面に三脚取付用のネジ穴があるので、別途小型の三脚などを使用して表示位置や角度の調整をおこなうことが可能です。
リモコンは前面カバーを押しながらスライドさせることで電池交換がおこなえるようになっています。乾電池ではなく充電池を使用してみましたが、特に問題はありませんでした。
起動
プロジェクタの電源を入れると最初に初期設定画面が表示されます。言語には「日本語」を選択できますが、所々変な日本語があるのはご愛嬌といったところでしょうか。ほかに無線LANの設定などをおこなって初期設定が完了です。
※画像にノイズやムラがあるように見えるのは家の壁紙に映しているせいで、フラットな面に投影した場合はもっと綺麗に映ります。
初期設定が完了したあとは、以降起動するたびにホーム画面が表示されます。明るさは200ルーメンとのことなので期待していませんでしたが、表示サイズ60インチ程度であれば家庭用の蛍光灯下でも十分に見れる明るさがあることに驚きました。起動中はビジネス用プロジェクタと同様な冷却ファンの音がするため、シアター用途には向かないと思います。
OSはAndroidベースということですが、Playストアやその他Androidスマホで見かけるようなアプリはありません。Kingsoft Officeも入っていてExcelファイル等の表示も出来ますが、本機の解像度では編集などの操作は現実的でなく、プレゼンテーション用途であればいいかもしれません。
主な出来ることは以下の通りです。
設定 | 機器の設定 |
シグナルソース | HDMIやローカルファイルなどの入力ソース選択 |
ファイル管理 | ローカルファイルやUSBメモリ内のファイルアクセスして再生することが出来ます。 |
JmGO Homepage | JMGOのホームページが表示される。まともに表示されないうえにブラウザとして使えるわけでもない。 |
Aptoide TV | Playストアのようなものだと思います。 |
Kingsoft Office | Microsoft Office互換のソフトウェア |
HappyCast | iPhoneやAndroidの画面をミラーリング表示するためのプロジェクタ側ソフトウェア |
設定メニューには接続性に関する項目やプロジェクタ本体の設定に関するメニューがあり、価格の割に自動台形補正があることに驚きました。冷却ファンのコントロールも設定できます。
搭載されている数少ないアプリのなかで、Aptoide TVというPlayストアのようなアプリを使用して色々出来ることを増やせますが、ダウンロードをおこなうためにアカウント登録が必要です。Netflixなどのアプリをインストールすることで視聴環境をプロジェクタのみで完結させることも出来ます。
次は、個人的に本機に一番期待していたスマートフォンの画面ミラーリングについてです。メーカー仕様ではAirPlay/Miracastがサポートされているとなっていますが、実際にはiPhoneだと標準搭載されているAirPlayで接続できる一方、手持ちのAndroid端末では画面のキャストを行うことは出来ませんでした。
Android端末の場合は標準搭載されている「画面のキャスト」や「キャスト」などの機能を使用してもミラーリング出来ませんでしたが、プロジェクタ内蔵のHappyCastというアプリに表示されるQRコードを読み込んだ先のアプリをインストールすることで画面のミラーリングを行うことは出来ました。
iPhoneとAndroidのいずれの場合でもP2P接続でのミラーリングは出来ないようなので、画面のミラーリングはWiFiルーターとの接続状態が良くないとスムーズには表示されませんでした。階下のWiFiルーターへ接続して画面のミラーリングをおこなうと5秒位遅れて更新されるといった事もありました。また、P2P接続不可なので色々なところに持って行ってスマートフォンの画面を大画面で表示するといったことも出来ないことになるので、一番期待していた機能だけにチョット中途半端な製品だなと思わざるを得ませんでした。
そうこう試しているうちにバッテリーの残量がなくなったようで自動的にシャットダウンされました。ランタイムは満充電から約90分程度でした。
総評
- ハードウェアの出来はいいが、ソフトウェアが今ひとつ。
- 電源オフでも電池がすぐ無くなるのでモバイルバッテリー機能は当てにならなそう
- iPhoneを持っていると結構楽しいプロジェクタ
- HDMI、USBメモリのファイルを表示・再生できればいい人は普通に使える
- 旅行に持っていきたい気分にはなる
- 画質は割と満足がいくレベル