Smartisan Nut Pro 2(U3)のレビュー Nut Pro(U2)との比較を交えて

手元に届き随分時間がたってしまいましたが、イラつくバグも改修されたのでちょっと見ていきます。

スポンサーリンク

Smartisan Nut Pro 2について

2015年Q3くらいから日本進出が準備されてたSmartisanですが結局、日本には進出することもなく日本向けFacebookページなども終了してしまいました。日本進出はなくなりましたが、製品ラインナップとしてはU1、T1、T2、M1に続くラインとしてU2(Nut)、U3(Nut pro 2)がリリースされており、先日Nut3が発表されたのは記憶に新しいところです。製品のつくりは評価が高くまたサポートもしっかりしており、Smartisan OSのバージョンアップも頻繁に行われているところから当方の中でも評価が高いメーカーでもあります。今回はNut ProとNut Pro 2をレビューして見たいと思います。Nut Pro 2はデュアルカメラになったNut Proに18:9のディスプレイが取り込まれ、全体的にデザインもリファインされた端末になります。

仕様

Nut Pro 2の仕様は5.99インチのin-cell 18:9のin-cellディスプレイにSDM660、12MP+5MPのデュアルカメラに3500mAhという構成です。Nut Proと比較してSoCが強化され、ディスプレイが18:9になりデュアルカメラはデュアル13MPから数値上はスペックダウンしたように見える仕様となっています。

製品名Smartisan Nut ProSmartisan Nut Pro 2
SoCQualcomm SDM625 or SDM626, Adreno506Qualcomm SDM660,Adreno512
RAM & ROM4GB/32GB,4GB/64GB,4GB/128GB4GB/32GB,4GB/64GB,6GB/64GB,6GB/128GB,6GB/256GB
ディスプレイ5.5インチ FHD in-cell IPS5.99インチ FHD+ in-cell IPS
カメラフロント16MP16MP
カメラリア13MP+13MPデュアルカメラ12MP+5MPデュアルカメラ
接続性GSM 850/900/1800/1900MHz CDMA BC0/BC1
TD-SCDMA 1880-1920/2010-2025MHz
WCDMA 850/900/1900/2100MHz
TDD-LTE B38/B39/B40/B41
FDD-LTE B5/B8/B3/B2/B1

Wifi 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 4.2
GSM 850/900/1800/1900MHz CDMA BC0/BC1
TD-SCDMA 1880-1920/2010-2025MHz
WCDMA 850/900/1900/2100MHz
TDD-LTE B34/B38/B39/B40/B41
FDD-LTE B5/B7/B8/B3/B2/B1

Wifi 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.0
バッテリー3500mAh3500mAh
サイズ155*73.4*6..98mm 158g154.36*73.36*7.4mm 156g
osSmrtisan OS 4Smartisan OS 4

付属品

Type-Cケーブル
電源アダプタ(USソケット)
simピン
ユーザーマニュアル

ケース、保護フィルムは含まれていません。

デザイン

Nut Proのデザインは写真のようにどちらかといえば、iPhone 5世代のノスタルジックなソリッドなデザインでしたが、Nut Pro 2は今風なダブルサイドガラスに丸みを帯びたデザインへ変更になっています。より最近のトレンドに近いデザインになっている感じでしょうか。全体的な大きさはおおむね両モデル間で差はありませんが、全体的に丸みを帯びたことによりNut ProよりもNut Pro 2の方がより持ちやすく感じます。

左がNut Pro、右がNut Pro 2

フロントサイドは2.5Dのガラスに覆われた18:9のディスプレイとなっています。ベゼル幅も狭くすっきりとした印象の面構えになっており、ガラスはゴリラガラス3が採用され強度も十分です。Nut Proでは物理ホームボタンによるオペレーションでしたが、Nut Pro 2ではソフトキーあるいはフルスクリーンジェスチャーによるオペレーションへと変更になっています。また指紋認証エリアについてはNut Proがフロント、Nut Pro 2がバックという構成へ変更になっています。ディスプレイの画質については両モデルともシャープでビビットなんら問題のない美しい画面表示を提供してくれます。Nut Pro 2のほうが色温度は高めで青っぽい画面になっており、Nut Proの若干黄色い画面という色味なっています。

ディスプレイはS8ライクな丸みを帯びたエッジ処理がNut Pro 2

Nut Proのホームボタンは物理とセンサーによるワンキーオペレーション

バックサイドにはLEDトーンフラッシュにデュアルカメラ、指紋認証エリア(Nut Pro 2)が配置されています。Nut Pro 2ではぱっとみブランドロゴにしか見えない部分が指紋認証エリアです。Nut Proではメタルとガラスのコンビデザインであった部分が、Nut Pro 2ではフルガラスの構成に変更されておりよりスムースな印象に変わりました。ガラスは耐油性コーティングのおかげか指紋がある程度は付きにくいですが、それでもやっぱりブラックの場合汚れが目立ちます。また、気になる点としてはガラス部分が笑ってしまうくらい滑りがいいのでケースは必須といったところでしょうか。

ロゴ部分がセンサーになっているのがNut Pro 2

ボトムサイドにはスピーカー、Type-Cポート、マイクが配置されています。Nut Pro 2ではミッドフレーム中央にセンターラインが入っておりデザイン上の良いアクセントになっています。

トップサイドはマイク穴とアンテナラインが配置されています。

レフトサイドにはトップ側にsimトレーおよび、Nut Pro 2では独自のショートカットキーが配置されておりこちらのボタンと他ボタンの組み合わせで設定したアプリが呼び出せるようになっています。ショートカットキーは面白い試みですが、複数ボタンの同時押しはいまいち使いづらくかつ選択可能の動作も限定されているので正直なところ必要ないのではと感じています。

ライトサイドは上からボリュームボタン、電源ボタンという並びです。ボタン類に細長いデザインからそれぞれが独立した丸いボタンタイプへと変更になっています。

全体的にみて両モデルともビルドクオリティは素晴らしく、デザインについては好みの差といったところで甲乙つけがたい仕上がりになっており今のタイミングでどちらのモデルを選んでも特に古臭さは感じない仕上がりになっています。

ハードとパフォーマンス

SoCについては両モデルに開きがあり、Nut ProはSDM625/626でNut Pro 2はSDM660です。Nut Proは上位版でコアクロックが上がった626となっており、当方の所持している4GB/64GBモデルはSDM626となっていますが、体感的な違いもベンチマーク的な差もSDM625と大きく変わりはありません。さすがにNut Pro 2のSDM660とベンチマーク的な差は比較すると圧倒的な差ですが、普段使いの部分では正直なところそれほど利用していて差を感じないといった感じでしょうか。ストレージは両モデルともeMMCですがこちらについても利用していて不満を感じることはないでしょう。RAMも4GBと6GBで開きがありますが両モデルとも利用していて不都合はなく快適に複数のアプリ切り替えが可能です。

Nut Pro 2のSDM660

Nut ProのSDM626

ユーザーインターフェイスとOS

OSは両モデルともきっちり更新が続いており、Smartisan OS 4.2.1が最新のバージョンです。Nut Pro 2についてはGearbestから届いたタイミングではショップ側のcooked romがインストールされており、バージョンアップが実施できない問題がありましたが、smartisanのコミュニティで公開されていたqfil romで純正状態へ戻すことができました。smartisan OSは独自のカスタムがいろいろはいっており、Idea Pills(リマインダー、todo)やOne Stepモードといった機能が特徴的なOSとなっていますが正直なところ両機能とも特に必要がないかなといった感想です。日本進出を狙っていたなごりか、言語設定に日本語が存在し選択が可能ですが残念ながらフォントが中華フォントとなっており、bootloader unlockやroot化を実施するすべが無いので変更もできません。そして4.1系のOSではブラウザを利用している際にスクロールに引っかかりが発生するストレスフルなバグありましたが4.2.0へのアップデートで改修されやっとまともに利用が可能になりました。また同アップデートで顔認証の速度も向上しかなり使いやすくなりました。

ランチャーモードのホーム画面

最新はAndroid 7.1.1

言語は日本語が選択可能

One Stepモードでは一画面に様々なショートカットが作成可能

Idea Pillsでtodoやメモなどが画面を切り替えず利用可能

フルスクリーンジェスチャーをサポート

ショートカットキーの利便性はいまいち

接続性

接続性については両モデルとも4G3G DSDSでの利用が可能です。sim1で電話回線、sim2でデータ回線のように使い分けが可能です。しかしなぜかNut Pro 2ではSoftbank系の3Gが一切利用できない為、それらを絡めたDSDSは利用ができません。Nut Proでは問題なく利用が可能であった為、ちょっと残念な点です。4Gオンリーで、シングルsim運用であれば特に問題はありませんが….。

利用可能なLTEはDocomo系(赤字)やSoftbank系(青字)、は両キャリアで共通で以下の通りです。

GSM 850/900/1800/1900MHz CDMA BC0/BC1
TD-SCDMA 1880-1920/2010-2025MHz
WCDMA 850/900/1900/2100MHz
TDD-LTE B34/B38/B39/B40/B41
FDD-LTE B5/B7/B8/B3/B2/B1

ちなみにプラスエリア化はbootloader unlockおよびroot化が一切できない為、実施ができません。

カメラ

カメラについては両モデルとも非常に優秀です。光の条件の良い場所、暗所ともにかなり良いパフォーマンスを示してくれます。特にNut Pro 2についてはNut Proよりも暗所のパフォーマンスがかなり改善しており、ちょっと良く撮れるの方向性は違うかもしれませんが、Xiaomi Mi Note 3に負けない画質だと当方は感じました。またポートレートモードも非常に綺麗に処理してくれるのでXiaomiに負けない仕上がりです。

※下記リンク先はオリジナルサイズです。モバイルの方はクリックしないようにお願い致します。左がNut Pro 2、右がNut Proの作例です。

以下はNut Pro 2で撮影

バッテリー

バッテリはー3500mAhと両モデルとも大きめのバッテリーとなっています。まったく同じ条件でバッテリーベンチを走らせてみましたが、結果両モデルともそれほど開きはなく9時間超えの利用とかなりよいパフォーマンスを示してくれました。SDM660がSDM626より良い結果になっているのは意外でした。QC3.0にも対応しており2時間弱で満充電が可能なのでライトな使い方であれば2日は利用が可能なレベルです。

SDM660ながら9h超えのNut Pro 2

SDM626のNut Pro

評価

日本ではあまり見かけないSmartisan製品ではありますが、製品自体の質はとても高くまたROMのサポート体制も真っ当で頻繁に各製品向けのromがアップデートされており、信頼性の高いブランドあることは間違いがありません。カメラのクオリティも高くかなり満足度の高い製品となっています。日本進出を狙っていたなごりかターゲットが中国マーケット向けの製品ではありますが、Google PlayもSmartisan向けアプリショップで導入でき、日本語も選択可能なので品質の高いミッドレンジ向け製品がほしい方にはかなり良い選択肢ではないでしょうか。中華フォントが許容でき、Softbank 3Gが使えなくても問題ないという方には安心しておすすめできる一品です。難点があるとすれば、選択できる保護シートやケースが極端に少ないことでしょうか。

購入先

当方は$300台で購入可能なタイミングで発注しましたが、現在は$420になっているようです。

Smartisan Nut Pro 2 6GB/128GB

$423.74

最安価格については下記も参考にしていただければ幸いです。

 

 

9 Total Score
Excellent!

非常にしっかりとした作りのスマートフォン。ビルドクオリティは高くまたROMの品質、サポートもしっかりとしているので長く使えそうな製品です。

ハードウェア
9
デザイン
9
ディスプレイ
9
ソフトウェア
9
カメラ
9
PROS
  • 18:9のディスプレイ
  • SDM660の高いパフォーマンス
  • フルスクリーンジェスチャーのサポート
  • 定期的にアップデートされるOS
  • 暗所にも強いデュアルカメラ
  • 特徴的な美しいデザイン
  • 150g台と軽い
CONS
  • softbank 3Gは利用できない
  • 選択可能な保護フィルムが少ない
<
スポンサーリンク
1 Comment
  1. いつも有益な情報ありがとうございます。
    もしよろしければNut Pro 2を純正のsmartisan OSへ戻す方法の記事を載せていただけないでしょうか?

Leave a reply