昨日のエントリに続き、プラスエリア化を実施していきます。
ZUK Z2 Proのプラスエリア化について
先のエントリにおいて、sim1/sim2でプラスエリア化が可能であった旨、記載させていただきましたがZ2 proはZ2と同様にそれぞれにsim1/sim2にそれぞれNVの値を持っているパターンでした。下記エントリにおける今のところDFS toolの今までの手法では完全にプラスエリア化が行えない端末です。
ZUK Z2 Proのプラスエリア化手順
作業を行う上で必要な前提環境はrootが取れている、adb実行環境がある、QXDMが入っていることです。(QXDMはご自身でお調べください。)ちなみにこの作業はmokee公式romで実施しています。なぜならZUI1.9ではプラスエリア化作業を実施してもなぜかband6を掴めないことが分かっている為です。
mokeeの導入までは以下のエントリを確認ください。EFSのバックアップは必ず取得してください。
Diagモードに入る
USBデバッグを有効にした端末をPCに接続します。ADB向けのドライバがインストールされていないと、下の画面のようにADB interfaceが不明なデバイスとして表示されるので、前エントリでインストールしたZUKのドライバがインストールされているディレクトリからADBドライバをインストールします。
- USB driver・・・ZUK用のUSBドライバです。diagモード用のドライバが含まれます。
- Qualcomm driver・・・念のため。
次にコマンドプロンプトを立ち上げ、CDでADBのバイナリがあるフォルダに移動し、下記コマンドを実行します。
adb shell
そうすると、端末側でUSBデバッグを許可するかを確認する画面が出るのでOKを押します。
再び adb shellを実行し、suコマンドを実行しrootになったら下記のコマンドを実行します。AOSPで有効なdiagモードを有効にするcm系、mokeeで有効なコマンドです。
setprop sys.usb.config diag,adb
これで一度端末がPCから切断されればOKです。
バンドを書き換える
Diagモードに入ったら、つぎにQXDMでバンドを書き換えます。しかしながらその前にDiagのやりとりをするCOMポートが適切なドライバでオープンしているか確認します。以下のようにAndroidと表示されデバイスを認識していない場合はドライバをインストールします。
インストールするドライバはQualcomm HS-USB Android DIAG 9025です。認識されない場合は前述のドライバを手動でインストールしてください。またドライバに署名がないので、Win8以降ではtestモードで起動している必要があります。
無事認識したら、次にQXDMを立ち上げDIAGポートと接続します。optionsのcommunicationsを選択
target portにdiagポートを選択しok
NV managerがアクティブになるのでまずはデフォルトの値を確認します。Multi sim or dual simの部位をチェックしsubscripion idは0の選択します。まずは#946のband preferredから見ていきます。readボタンをクリックすると値が確認でき、デフォルトは0x04E8になっています。
こちらのフィールドをトリプルクリック、編集し0x0CE8に変えwriteをクリック。subscription id1側も同様に変更を加えます。
このHexコードはmztool(osdnのリンクが切れているので自身で探して見てください。)で確認が可能なので興味がある方は下記の様に値が示すバンドを自身で確認してみてください。下記画像はデフォルトの値が示すband preferredを確認したものです。これにband6を追加すると0x0CE8になります。
続いて、RF BC Configの#1877へ変更を加えます。画像はsubscription idが1になっていますが、0・1共に変更を加えます。デフォルトの値は”562950035734915″です。こちらを先のband preferredと同じ要領で0、1共に”562950169952643″変更します。
以上で設定は完了です。引き続き検証を実施します。
検証
検証はNetwork Signal Guruを使います。山に登る必要はありませんなぜなら皆様が住んでいるその場所はまず間違いなくプラスエリアの対象地域だからです。まずはsim1にdocomo系のsimを挿しband5、6のみにlockします。
sim1に刺さっていることを確認
問題なく接続。OKです。
続いてsim2側にdocomo系のsimを挿しband5、6のみにlockします。
必ず差し替えてsim番号を確認
sim2側もOKです。
追記:検証につかったNetwork Signal Guruの使いかたについて別エントリを書いてみました。興味がある方はごらんください。
まとめ
今回のプラスエリア化は前回のRedmi note 4Xとは違いsimスロットごとにそれぞれNVの値を持っている端末でした。なんとなくDFS toolでもできそうなインターフェイスがあったので次回からはDFS toolで作業を実施できる方法を模索したいと思います。
お陰様で、Z2のダブルエリアプラス化できました。
一応、フィールド確認しましたのでご報告です。
・機種:Zuk Z2
・OS:Mokee 6.01(170317)
・SIM 1:0-sim (通信のみ、SMSなし)
・SIM 2:FOMA (通話のみ、SPモードなし)
・確認場所:LTE、FOMAともに800MHzだけの地区(docomoマップ)
結果:通話・通信とも3G+3Gモードで可能でした。(SIM入れ替えても同じ)
以前のエリアプラス化での確認では、通話できず通信のみでしたが
両SIMのNV値変更で解決できたようです。
ありがとうございました。
Z2ユーザー様
その節は見当違いな回答をしてしまい申し訳ございませんでした。確認できたとのことで良かったです。
重ね重ねお詫び申し上げます。
質問ですが、上記にあります
>続いて、RF BC Configの#1877へ変更を加えます。画像はsubscription idが1になっていますが、0・1共に変更を加えます。デフォルトの値は”562950035734915″です。こちらを先のband preferredと同じ要領で0、1共に”562950169952643″変更します。
とありますが、mztoolで、BandVIだけを追加しますと、”0562 9500 3D73 4915”となりますが、
WLAN等の他に追加する必要があるのでしょうか?
あどむ様
該当のrf bc configはdecの値を投入します。decの562950035734915については下記の通りです。
[Bit_00] Band Class 0, A-System
[Bit_01] Band Class 0, B-System
[Bit_07] GSM DCS 1800 band
[Bit_08] GSM Extended GSM (E-GSM) band
[Bit_19] GSM 850 band
[Bit_21] GSM PCS 1900 band
[Bit_22] WCDMA Band I – EUROPE JAPAN & CHINA IMT 2100 band
[Bit_23] WCDMA Band II – US PCS 1900 band
[Bit_26] WCDMA Band V – US 850 band
[Bit_49] WCDMA Band VIII – EUROPE & JAPAN 900 band
返信ありがとうございます。HEX値で見ておりました。すいませんでした。