AGM X2のレビューです。タフネススマホ界隈でたくましく生き残るAGM。世界的に需要があるということなのでしょうね。
AGM X2について
当方にとっては初のAGMです。X1は気になる存在ではありましたが結局手を出しませんでした。タフネススマホといえば、SoCにMediatekを採用したスタートアップの数々の端末を目にしているかと思いますが、こちらはQualcomm Snapdragon(以降SD)搭載のタフネススマホをリリースしていることでその界隈の期待を一身に受けているスタートアップAGMです。
ハイパフォーマンスなSoCが搭載された製品のリリースが待たれていたメーカーですね。前作のX1はSD617搭載で次回作はSD820系が採用されるのではと期待されていましたが、中々音沙汰がなくここにきてやっとリリースされるようです。地味にカーネルソースも公開されていたりするわけですがいまいち盛り上がりに欠ける印象です。–ここまで以前のエントリの転用—
結局X2で採用されたSD653はミッドハイのSoCでありSD652から10%前後のパフォーマンスアップがはかられたモデルです。RAM6GB/ROM64GBはフラグシップのベースラインな容量。実用的にはなんら不都合がないパフォーマンスを発揮してくれるであろうコンビネーションに加え、IP68認定、MIL-STD-810Gアメリカ国防総省制定MIL規格を持つスマートフォンです。うーんタフネス。
仕様
ディスプレイ | 5.5″ 1080 x 1080ピクセル(AMOLED) |
SoC | Qualcomm MSM8976SG Snapdragon 653, Adreno 510 |
RAM&ROM | 6GB/64GB or 6GB/128GB MicroSDをサポート、sim2と排他利用 |
カメラ | フロント16MP(Samsung ISOCell) /バックデュアル 12MP (sony imx386 )(f/2.0) |
接続性 | GSM / GPRS / EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz) CDMA 2000/1x BC0 UMTS / HSPA+ (850, 900, 1700, 1900, 2100 MHz ) 4G LTE (B1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 19, 20, 38, 39, 40, 41) 802.11 a/b/g/n/ac 2.4 GHz + 5 GHz dualband 日本ではdocomo、ソフトバンクにおいて利用が可能 (mineoの非VoLTE 4G simでも利用ができました。不安定ですが….。) |
バッテリー | 6000 mAh |
サイズ | 168.5 x 83.4 x 14 mm / 250g メーカー公表値ですが計りで調べたら269gありましたよ…。 |
OS | Android 7.1.1 |
付属品
Type-C to A USBケーブル
電源アダプタ(EU)
フローティングモジュールケース
simピン
ユーザーマニュアル
ストラップ
スクリーンプロテクター(本体に貼り付け済)
デザインと機能
もう見た目から非常にゴツくいかにも丈夫ですという様相です。フレームはゴムっぽい材質で覆われておりガッツリ四隅が保護されています。それらがトルクスネジにより本体にしっかりと止められており唯一メタル部分が見えている左右のサイドフレームもかなり厚みがありそうなフレームになっています。背面はなぜかガラスで覆われていますがおそらくは四隅を追っている材質で保護すると250gある重量がさらに重くなったからでしょうか。それらの背面ガラスもゴムのような材質で0.2mmほどの高さで段差が付けられており保護されています。見た目には美しさのかけらもありませんが重厚な戦車のような威圧感を放っています。背面にはデュアルカメラや指紋センサがありますが目を引くのがブランドロゴ下にある”MIL-STD-810G(アメリカ国防総省制定MIL規格)”という印字です。ディスプレイは5.5インチAMOLEDで文句なしのビビットさ昼光下での視認性も抜群ですが、これAMOLEDが逆さについてます。Oneplusで見たJelly Scrollがこちらにも出ています。そしてサイズは168.5 x 83.4 x 14 mmとかなり大きく重量もメーカー公称値250g、リセラーサイトでは213gとありましたが、269gありました…。
AMOLEDは発色もよくとてもシャープでコントラストも高い
全然250gじゃない…。
フロントには各種センサとフロントカメラ16MP、通知LEDが配置されています。トップに通話スピーカー、下部にはマイク穴が配置。そしてベゼル幅は広めですが、そんなことはどうでも良いという感じで重厚なフレームで覆われています。とにかく見た目のインパクトがすごい。ちょっと今まで見たことがないレベルの威圧感です。ガラスはゴリラガラス5が採用され、2.5D等の加工はありません。そして画面にははじめから保護シートが貼り付けてあるため、開封後すぐ利用を開始できます。
バックサイドはデュアルカメラとクアッドトーンフラッシュのLED、指紋センサが配置されています。指紋センサは四角いデザインでクラシカルな風合い。背面の5/6はガラスですが、デザイン概要でも書いたとおり、ゴムっぽい材質のフレームで覆われおりかつ段差もあるためかなり強固に守られています。下部にはスピーカーユニットが配置されています。
トップサイドにはイヤフォンジャックがフレームと同様の素材でキャップされており水の侵入を防ぎます。
キャップ構造のイヤホンジャック
ボトムサイドにはUSB Type-Cポートがあり、これまたフレームを保護している材質と同様のキャップで保護されています。
ライトサイドには電源ボタンとsimスロットおよび、VOC(揮発性有機化合物センサー)が配置されています。simスロットはnanosim2枚がサポートされ、sim2側がMicroSDカードとの排他利用です。
影になっていますが暗い部分にVoCセンサが蓋付きであります
レフトサイドボリュームキーと特殊ボタンです。特殊ボタンは現状カスタマイズすることが出来ず、カメラでシャッターボタンになるだけしか機能が見つけられませんでした。
そしてさらにインパクトが大きいのがフローティングモジュールと名付けられたケースです。装着することによって水に浮くという代物。simスロットとVoCセンサ、指紋センサが利用できなくなりますが、Type-Cポート、イヤホンジャック、各ボタンへはモジュールを装着したままでもアクセスが可能です。
なんかすごい
端末の厚みは3倍くらいになります
ハードとパフォーマンス
SoCはSnapdragon 653です。ミッドハイとなるSoCなのでパフォーマンスも十分。antutuのスコア的には下記の通り8万を超えてきます。SD652から10%ほどパフォーマンスアップしている製品です。ストレージはAGMのフラグシップながらUFSではなくeMMCが採用されており、ランダムライトが少々遅いですが利用に当たってはそれを感じることはありません。容量が足りなければ、MicroSDで拡張することも可能です。RAM6GBについては複数のアプリを立ち上げて、タスクを切り替えるといった動作も難なくこなしてくれます
ナイススコアですね
数値からわかるeMMC感ですが、パフォーマンスは十分
ユーザーインターフェイスとソフト
ユーザーインターフェイスは素のAOSPです。特にカスタムが入っているわけではないのでなんのわかりづらさもなく利用が可能です。AOSPであるため、もちろん日本語環境も利用可能。ただ、設定メニューの一部にAGM側で手が入っているようでsim設定等々のメニューは英語のままです。独自のアプリケーションとしてはAGM toolというアプリがあり、コンパスやルーペといったちょっとした計測等々に利用が可能なツールをまとめたアプリになってます。またAGM Airというアプリでは本体のVoCセンサを利用足した揮発性有機化合物を計測できるようなアプリがあります。
デフォルトのランチャーはLauncher3
AOSPなので日本語選択可能
AGM Toolはカメラやセンサなどを利用したツールの集まり
空気中のVoCを計測するAGM Air使い所がわかりません
接続性
AGM X2ではSimスロット1、2で4G3Gのデュアルスタンバイ機能を利用することが出来ません。愕然としたのですが、ソフトウェア的な制約のか本体アンプ側の制約なのか4G2GのDSDSとなっています….。接続可能なバンドとしてはFDD-LTE B19が利用可能など魅力的なだけに残念です。4G3G DSDSが必須要件の方にはあまりおすすめが出来ないです。また接続可能なband的にau系も行けそうだったので最近入手したmineoのauプラン、非VoLTE 4G simを使ってみましたが、利用可能なもののかなり不安定です。原因は優先ネットワークのモードがデータsimを切り替えるたびにLTE/UMTS auto(PRL)に設定されるためであり、電話アプリの*#*#4636#*#*からLTE/CDMAに切り替える必要がその都度発生します。接続が可能なタイミングでは4Gでのデータ通信、電話発着信によるCDMAへのハンドオーバーなど割りとまともに動作するのでが….。
利用可能なLTEはDocomo系(赤字)やSoftbank系(青字)、紫は両キャリアで共通で以下の通りです。
GSM / GPRS / EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz) CDMA 2000/1x BC0 UMTS / HSPA+ (850, 900, 1700, 1900, 2100 MHz ) 4G LTE (B1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 19, 20, 38, 39, 40, 41) |
カメラ
カメラについてはSonyのIMX386が採用されています。デュアルカメラでならびはRGB、モノクロセンサになっています。タフネススマホにデュアルカメラか、とパフォーマンスには割りと懐疑的だったわけですがボケ処理などは割りと上手く動作し、XiaomiやOneplusとまでいかないものの人物のポートレート写真などは他のスタートアップ系企業と較べてもかなりきれいに自動で処理してくれます。写真の色味は素直で撮影から保存までも早く快適に撮影することが可能ですが、写真は十分な昼光下では詳細さを持つものの、暗所においてはいささかノイズがのります。またダイナミックレンジもあまり優れてはいませんが、HDRモード等々を利用すればかなり満足がいく写真が撮れるので全体的に見るとタフネススマホながらカメラもなかなか悪くないなという感想でしょうか。アウトドアという利用シーンを考えるときっと大活躍してくれると思います。
下記ファイルはリンク先がオリジナルサイズです。モバイルの方は開かないよう気を付けてください。
バッテリー
バッテリーは大容量の6000mAh。当方の使い方(WEB閲覧等々のコンテツの消費がメイン)だと3日以上はバッテリーが持ちました。比較的頻繁に画面をオン、ネットワークを利用していても2日はバッテリーが持ってくれます。簡単なテストとしてyoutubeをwifiで4時間ほど流しっぱなしにしてみましたが、減ったバッテリーはおよそ20%と余裕の持ちです。また端末はQC3.0に対応し75%までの充電は大体1:40分くらい、100%までは3時間かからないくらいで充電してくれます。
一日普通に使い、二日目は家に放置、三日目の昼に確認した結果
評価
4G3G DSDSでないことは残念ですが、IP68、MIL-STD-810Gアメリカ国防総省制定MIL規格認証とタフネスさは他に類を見ない安心感があります。パフォーマンスやスペックを踏まえ、現場で作業するかたやタフな環境でスマートフォン利用を求められる人にとって、こちらの端末以上に適任な選択は当方は見つかりませんでした。SD653に6GB/64GB or 128GBのRAM/ROM、デュアルカメラ、QC3.0対応で6000mAhのバッテリーと魅力的な要素が詰め込まれたこれ以上のタフネススマホは現状無いように思います。またフローティングモジュールもなかなかおもしろい試みです。値段はなかなか高価ではありますが、タフネススマホを探していて4G3G DSDSでなくても問題が無いという方にはおすすめできる一品です。ちなみに4G2Gの件はメーカーのサポートに今後のアップデートで4G3Gへの対応を考えていますかという問い合わせを投げていますが、今のところ回答はありません。LTE B19には対応していますが、WCDMA側現状B6に対応していないため、twrpがリリースされた際にはWCDMAのプラスエリア化も取り扱っていきたいと思います。
購入先
当方はGearbestで発注をしました。日本限定クーポンにより$539.74→$455.99となっています。